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ベトナムニュース【新型コロナ】|こんなに苦しい…新型コロナ禍のベトナム企業のリアル

(C)LINH LINH

 行政手続改革諮問委員会傘下の民間経済開発研究委員会は、2020年8月に実施した「企業が今後6ヶ月で直面する困難」に関する調査結果を発表した。

 それによると、81%の企業が製品・サービスの需要が減少する見込みと回答。さらに、多くの企業が給与、各種保険、労働組合費、銀行ローンの支払いが困難と回答し、76%の企業は収入と支出のバランスを取れず、47%の企業が2回目の感染拡大後に労働者削減の必要性を感じている。

 上記の状況を踏まえて、民間経済開発研究員会は政府に対して、売上高2000億VND以下の企業だけでなく、全企業を対象に法人税の30%減税を実施し、今年から来年にかけての社会保険、健康保険、失業保険費用の50%減額を提案した。

調査結果は甘すぎる

 南部の冷凍肉主要輸入業者15社の1社であるティエン・ブット社のフォン社長は、現在の悲惨な販売状況が第4四半期も継続すれば、南部の主要な冷凍肉輸入業者のうち、20%しか生き残れないだろうと話した。

 実際、冷凍肉の保管量は3月~4月の最初のCOVID-19流行時に比べて、現在は2倍以上に膨れ上がっている。
在庫は既に丸1ヶ月保管してあるが、2ヶ月保管した場合の冷蔵倉庫費用は、商品の代金と同じ額になる。

「これらの商品は以前に国内の食品加工業者から注文されたものですが、COVID-19の再発以降、販売速度が非常に遅くなっています。例えば、以前であれば1日に1コンテナ分を提供していたのが、今では1ヶ月にわずか6~7コンテナしか使用されず、残りは倉庫で保管しています。輸入業者は5~10日間、もしくは半月位までなら我慢して保管できますが、何ヶ月になると大きな損失です」

 フォン氏によると生産事業は停滞して、売り手が買い手を大きく上回っいる。50%弱の企業が労働力削減という民間経済開発研究員会の調査結果は、甘すぎる数字だと見ている。

「COVID-19の再流行はひどい影響を与えています。例えば資産が1000億VNDあっても3ヶ月後には0になる可能性があります。銀行融資の金利は企業と銀行の関係により、具体的な企業補助政策は存在しません。
この業界の何十社という企業に『銀行融資で何かサポートを受けたことがありますか?』と質問してみてください。企業サポート政策の第一弾は何ですか? 今頃、報告書を提出して企業補助案を提案したところで、企業はいつその恩恵を受けられるんでしょうか?」

売上がないのに減税?

 ファッションアクセサリ会社を経営するチャン社長は、政府の企業補助政策に悲観的な見方を示す。法人税の30%減は非現実的という。

「これは大きな売上があって利益を確保している企業にのみ有効です。全体の98%を占める中小企業や家族経営企業は、実際に『死にかかっている』状態です。私の会社もこの苦境を乗り越えるために、労働者を50%削減し、労働時間も減らしました。

 縫製関連の売上は70%減少し、利益も全くないのに、どうやって減税された税金を納めるんですか? 従業員の給料支払いのために低金利での融資を何度もお願いしましたが、まだ実現しません。何百人もいる社員の社会保険料の減額も実現していません。一体企業はいつになったら具体的なサポートを受けられるんですか?」

(C) NGỌC THẮNG

優良企業のみがサポートを享受

 RBNC戦略コンサルティンググループのゼネラルディレクターであり、アジア太平洋および米国市場を担当する戦略コンサルタントのロバート・チャン氏は、法人税の30%削減案が承認されたとしても、一般企業にとっては何の役にも立たないと率直に指摘する。

過去8ヶ月間に事業を停止した企業が3万4000社を超え(70%以上の増加)、9000社以上の売上100億VND未満の規模の企業が解散し、2万4000社以上の企業が解散手続き待ちとなっている。
銀行や医薬品メーカーなど利益を確保している一部の企業だけが、この政策の恩恵を受けられるという。

「私の意見では、企業が利益を出せずに支払うべき税金もない中で、ベトナム政府はこれ以上減税政策を検討するべきではありません。COVID-19流行の初期段階で、カナダや米国などの国は、全ての企業に対して直接補助金を支給したり、給与の支払用に無利子の融資を提供したり、物品税や関税の支払いを6月末まで延期するなど、様々な支援策を提供しています。カナダでは、政府が保証する形で中小企業向けの無利息融資を実施しています。

 ベトナムでは、今のところ資産のない中小企業は融資を受けることができず、企業融資の利率は企業と銀行の合意にのみ基づき、広く開示されていません」

 企業開発研究所のグエン・マン・クアン所長もこの意見に同意する。同氏は現在、企業は健康な企業と病に侵された企業に分かれており、減税案は健康な会社のみが対象で、瀕死の状態に陥っている企業の数が多すぎると指摘した。

 現在のベトナム政府の支援策では効率が低く、実際には何もサポートしていないのと同じことになるという。
「企業を病気の子供とみなした場合、適切な治療なしに病気は治療できません。現在の政府の支援策は、非現実的で焦点の定まらない治療計画に基づいていると言わざるを得ません」

優遇融資の条件緩和

 財政研究所のティン博士は、現時点での減税による数百億から数千億VNDの財政支援政策は、効果が低いうえに政府の能力を超えたものになるだろうと指摘する。
パンデミックが発生すれば経済全体が困窮し、企業の売上は激減し、あらゆる税収が低下するため、政府の歳入額は急激に減少するだろう。

「私の意見では、政府による融資保証制度を作るべきです。そうすれば多くの中小企業は財務的圧力が軽減され、事業規模の拡大を目指せるようになります。この場合、全ての企業をサポートするのではなく、有望な企業を優先的にサポートすることが非常に重要になります」

出典:17/9/2020 THANH NIEN
上記を参考に記事を翻訳・編集・制作