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ベトナムニュース【経済】|COVID-19はベトナム経済にチャンスをもたらすのか?

(C)Ngọc Thành

 9月29日、ベトナム改革発展フォーラム(VRDF)において、世界銀行ベトナム事務所のチーフエコノミストであるジャッカス・モリセット氏は、「COVID-19がベトナムに特別なチャンスを生み出すだろう」と発言した。

多くの企業がベトナムに注目

 同氏によるとサプライチェーンの混乱は、多国籍企業の中国からベトナムへの移転を加速させる可能性がある。この傾向は新型コロナの感染拡大前から、中国の人件費上昇や米中貿易摩擦の影響で既に顕在化しつつあった。

 ベトナム政府のCOVID-19対策の成功は、多国籍企業を呼び込むのに絶好の宣伝効果をもたらしており、ベトナム経済も早期に回復が見込まれている。

 ベトナム政府は、デジタル分野をはじめとした急速な意識改革によってビジネス環境を改善しており、1億人近い人口がベトナム経済をより魅力的なものにしている。
また、多くの国で貿易障壁が高まっている中で、ベトナムの各国との自由貿易協定締結は、投資家にこのマーケットに多くの新しいチャンスを認識させている。

 東アジア太平洋担当のビクトリア・クワクワ氏は、ベトナムを含む発展途上国には多国籍企業が生産施設を再配置し、新しい経済同盟を形成するチャンスがあることを強調した。
同氏は、ベトナムはこれまでの30年間の経済発展により高い潜在能力を備えており、COVID-19のパンデミックの期間中にも貿易、人材育成を含む多くの分野で成長を継続していると指摘した。

ただし、不安材料も山積み

 しかし、多くの専門家は、ベトナムがグローバルサプライチェーンに参加するには、まだ、いくつかの弱点があると指摘する。

 2018年、ベトナムはグローバルサプライチェーンへの参加を通じて204億USDしか生み出せず、174ヶ国中55位という結果になった。この数字はフィリピンの4分の1以下の金額でしかない。

 グローバルサプライチェーンにおいて、ベトナムはまだ単純な作業段階にしか参加出来ていないが、マレーシア、タイ、フィリピンなどASEANの一部の国は、より高度な加工、製造、およびサービスレベルに参加している。
グローバルサプライチェーンへの参加が1%増加すると、1人当たりの平均収入が1%以上増加するとされており、これは従来のビジネスの2倍の効果をもたらす数字だ。

 ベトナムの現地調達化が徐々に低下しており、現在のところ中国の2分の1に過ぎないと指摘する。また、ベトナムは特定の市場(中国、日本、韓国、米国)、製品(繊維、電子機器、化学薬品、金属)、企業(サムスン、フォックスコン、インテル、パナソニック)に集中しすぎており、さらにサービス産業には参入障壁があるため、観光業を除いてFDI(海外直接投資)が伸びていない。

ベトナムが始めるべき戦略

 世界銀行の専門家はこのチャンスを逃さないために、短期的にはベトナムはより保護的になるという誘惑に抵抗する必要があるとし、「ベトナムはFDI参入に対する制限を緩和し続けるべきだ、と私たちは信じている」と述べた。

中期的には、次の3つの対策を導入すべきである。
・中国から移転する投資家の積極的な誘致。
・ FDIと国内企業間の緊密な連携の促進。
・科学技術革新のための戦略の見直し。

 今後ベトナムがグローバルバリューチェーンの影響を最適化するためには、これまでの戦略を改善する必要がある。
具体的には、多くの投資家がベトナムのボトルネックと指摘する熟練労働者の育成である。また、現時点ではベトナム国内の多くの企業がイノベーションと品質改善に遅れを取っており、ベトナム企業の能力向上のために新しい技術の積極的な導入促進が必要になる。

 さらにベトナムは、サービス産業の参入障壁を緩和し、国営企業の優遇を取り除くことで、競争環境を改善し、生産性やサービスの向上を目指すべきである。

出典:29/9/2020 VNEXPRESS
上記を参考に記事を翻訳・編集・制作