数十億VNDを投資してホーチミン市内の工業団地内にF0の隔離施が準備されたが、運営ルールの不備と保健局との調整不足によって、まだ稼働できていない。
37億VNDの投資と2か月以上の準備期間を経て、リンチュンⅡ輸出加工区(トゥードゥック市)に250人を収容できる1500㎡の隔離施設が10月12日に完成した。工業団地側は、この施設によって工業団地内のCOVID-19感染者の治療と収容に対応できるようになると期待していた。しかし、工業団地内で感染者が日々増加しているにもかかわらず、その後1か月以上経過してもこの施設は稼働していない。F0となった労働者たちからは、地域の保健局への連絡が取れないと苦情が出ている。
ホーチミン市工業団地入居企業協会(HBA)のグエン・バン・ベー会長は、このプロジェクトの投資家は酸素供給システムを設置するためにさらに資金をつぎ込んでいると話す。HBAでは、工業団地内の各企業に収容施設の運営費用とスタッフの人件費を負担してもらっている。開店休業状態が1か月以上続いているにもかかわらず、各企業は、清掃、警備などのスタッフの人件費と施設の光熱費を負担し続けている。
「ハード面ではすべての準備が完了していますが、専門の医師と治療薬が不足しています。」とベー会長は話し、この2点については企業の能力を超えた問題で、政府のサポートが必要になると説明した。HBAとホーチミン市工業団地管理委員会(HEPZA)はこれまでに何度もホーチミン市に対して問い合わせているが、ホーチミン市はこれまでのところ工業団地内の隔離治療施設の運営について明確な運営規定を発行しておらず、投資家は運営した場合の責任問題が発生することを恐れている。
10月上旬にホーチミン市が規制を緩和して以降、市内の17の輸出加工区、工業団地、ハイテクパークなどで1500社近くの工場と32万人以上の労働者が活動を再開させた。企業の製造活動再開規模に応じて、工業団地内のF0も増加しており、これまでに2800人以上の労働者がCOVID-19に感染し、様々な場所で治療を受けている。一部の工場は、病院と直接契約しているが、病院自体が過負荷状態となっており、感染した労働者は工場内に長期間とどまらざるを得ない状況だ。
ベー会長によると、製造活動を中断せず、地域の野戦病院と収容施設の負担を軽減させるために、労働者が1万人以上の規模の10か所の工業団地が、工業団地内にCOVID-19治療施設建設することを検討している。残りの工業団地も臨時隔離施設を建設する予定だ。
「しかし、施設の運営規則がまだ発行されていないため、工業団地側はかなり混乱しています。」とHBAのベー会長は話し、運営規則の問題は政府と投資家の双方に責任があると指摘する。
リンチュンⅡ輸出加工区に加えて、ドンナム工業団地(クチ県)とタントアン輸出加工区(7区)も数百人規模の隔離施設を準備したが、運営規則の発行を待っている状態だ。
HEPZAのフア・クオック・フン委員長は、工業団地内の隔離施設を稼働させるためには、ホーチミン市保健局が、病院または、地域の保健局に運営業務を割り当てる必要があると指摘する。現在、保健局は、このプロジェクトを稼働させるために、工業団地の所在する各区と県の人民委員会と話し合いをおこなっている。
工業団地と打ち合わせをおこなったホーチミン市人民委員会のズーン・アイン・ドゥック副主席は、工業団地内の隔離施設の設立を急ぐように指示した。工場の生産活動再開に従って感染者が増加している状況において、工業団地内の隔離施設を稼働させることは、労働者の保護と企業の安心につながる。
HEPZAは、ホーチミン市に対して、隔離施設を設置する条件を満たせせていない工業団地で働く労働者については、野戦病院での受け入れを認めるように提案している。
感染者の増加を受けて11月中旬にホーチミン市は、工場が多く集まる地域の集中隔離施設を再稼働させることを検討している。以前、感染がピークに達していた7~8月において、ホーチミン市は各区と県で200ヶ所近くの集中隔離施設を稼働させていた。しかしCOVID-19の感染が落ち着いてから、感染者の減少を受けて多くの隔離施設が活動を停止させている。
出典:25/11/2021 VNEXPRESS
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