11月15日の夕方までに、ベトナムのワクチン接種回数がほぼ1億回に到達した。このうち6430万回が1回目のワクチン接種で3500万回が2回目の接種となっている。
COVID-19ワクチン接種ポータルサイトのデータによると、ロンアン省が省内の18歳以上の全人口に対して2回のワクチン接種を完了した最初の地域になっている。国内で2番目に2回目のワクチン接種率が高いのがカインホア省の96%だ。ハノイとホーチミン市は、どちらも成人の80%以上が2回目のワクチン接種を完了している。
18歳以上の全人口が1回目のワクチン接種を完了している地域は、ホーチミン市、ドンナイ省、ロンアン省、ビンズン省、ハノイ市、バクニン省、クアンニン省、ラムドン省、バリア・ブンタウ省、ダナン市、ヴィンロン省、ハウザン省、カインホア省となっている。
全国で1回目のワクチン接種率が最も低いのはソンラ省の48%で、次いでタインホア省の51%、ナムディン省の59%、ゲアン省の60%の順となっている。
2回目のワクチン接種率が最も低いのはタイビン省とダクラク省の9%強で、次いでトゥエンクアン省、クアンビン省の11%、ザーライ省の12%の順となっている。
現在、ベトナムで使用されているCOVID-19ワクチンは、アストラゼネカ、モデルナ、ファイザー、ジョンソン&ジョンソンのワクチンと中国のヴェロセルワクチン、UAEのハヤットバックスワクチン、キューバのアブダラワクチン、ロシアのスプートニクVワクチンなどとなっている。
公衆衛生緊急対策センターの上級顧問であるチャン・ダック・フー准教授は、これは、ベトナムにおける史上最大規模のワクチン接種キャンペーンの成果として非常に重要なマイルストーンになると指摘する。
フー准教授によると、ワクチンを1回でも接種すれば一定程度の防御効果が得られる。2回のワクチン接種を完了した人は高い防御効果が得られ、感染したとしても重症化したり死亡するリスクを減少させることができる。それによって、医療機関も過剰な負荷から解放されることになる。「これは、ベトナムがゼロコロナ戦略からウイズコロナへ方針転換するために非常に重要な条件です。」とフー准教授は指摘する。
しかし、フー准教授は、各自治体は、感染した場合に重症化するリスクの高い高齢者や基礎疾患のある人へのワクチン接種率について注意を払う必要があると指摘する。また、感染リスクの高い地域、大都市、人口密度が高い地域、多く人が出入りする地域については、引き続き成人全員へのワクチン接種を目指して接種スピードを加速させる必要がある。
「ベトナムのワクチン接種キャンペーンは、短期間に迅速に展開されたために、接種開始から7ヶ月という短期間にこのような重要なマイルストーンに到達できました。」とフー准教授は評価する。
ベトナムは、2021年3月上旬からワクチン接種キャンペーンを開始し、当初はアストラゼネカ製ワクチンがハノイ市、ホーチミン市、ハイズン省など感染が拡大している地域に対して優先的に分配された。
ワクチン接種過程において保健省は、各自治体に繰返しワクチン接種のスピードをアップするよう求めてきた。8月末から9月にかけて、多くの自治体がワクチン接種スピードを加速させた。例えば、9月上旬にハノイ市は周辺の自治体の協力によって検査とワクチン接種を加速させ、多い日には1日に50万回以上のワクチン接種が実施された。
11月8日に保健省のグエン・タイン・ロン大臣は、ベトナムは2億回分のワクチン購入契約に合意しており、既に1億2500万回分を受け取ったことを国会の報告で明らかにした。ワクチンの数量は、年末までに18歳以上の全国民に2回目のワクチン接種を完了させるのに十分な量が確保されている。また、2021年末から2022年初旬にかけて3回目のワクチン接種を開始することも計画されている。
ベトナムは、世界のワクチン接種率ランキングのトップ20に入っており、東南アジアではインドネシアに次いで2位となっている。またワクチン接種スピードも非常に早く、ピーク時には全国で1日に200万回以上のワクチンが接種された。
11月10日にブー・ドゥック・ダム副首相は、成人への2回目の接種を完了させるためには、北部で2300万回分、中部で500万回分、中部高原地帯で250万回分、南部で400万回分のワクチンが不足していると述べた。これらの不足分のワクチンは、11月中には届けられる予定になっている。
最近の政府の会議においてファン・ミン・チン首相は、各自治体に対してワクチン接種をスピードアップさせ、11月中に輸入された全てのワクチンを接種完了させるように要請した。
出典:15/11/2021 VNEXPRESS
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