中国の習近平国家主席は、今年最初の外遊先としてベトナムを訪問したことは、中国がベトナムとの関係を最重要視していることを表していると述べた。
習近平主席が語った両国関係の位置づけと訪問の意義
4月14日午後、歓迎式典後にトー・ラム書記長はベトナム共産党中央本部で中国の習近平国家主席と会談を行った。
習主席は、ベトナムは中国にとって同志でもあり兄弟でもあり今回ベトナムを訪問できて非常に嬉しく感じていると述べた。また、今年最初の外遊先としてベトナムを選んだことは、中国がベトナムを非常に重要視していることを表しており、両国関係の深い友情を示すものだと述べた。
また、習主席は、ベトナムのトー・ラム書記長をはじめとする指導者たちと伝統的な友好関係をさらに強化させ、両国関係強化に向けた“6つのより良い”方針に基づいて、両国の未来共同体構築ビジョンを明確にし、世界全体に貢献するために協力していく必要があると指摘した。
トー・ラム書記長は、ベトナムは客観的な状況と戦略的な方針、全方位外交政策において中国との関係発展を常に重要視していると強調した。これに対して習主席は、中国は一貫してベトナムとの友好関係を堅持しており、近隣外交における最重要国としてベトナムの発展と国民の幸福を常に願っていると述べた。
両首脳は、これまで両国関係が“6つのより良い”方針に基づいて発展し、様々なレベルでの戦略的対話が緊密に実施され、多くの分野で協力プロジェクトが進展し、貿易関係の正業が著しいことを確認した。さらに今後は、両国の友好関係の基盤をさらに強固なものとし、2国間協力はもとより多国間協議の枠組みにおいてもお互いを支援し、未解決の様々な問題についても誠実かつ率直な態度で解決に向けて対話を継続することで合意した。
「định hướng ‘6 hơn’(“6つのより良い方向性”)」とは、ベトナムと中国の間で両国関係を強化するために示された6つの主要な方向性を意味します。これは中国側が提唱し、ベトナムとの関係をより密接で戦略的にするための指針として使われている。
具体的には、2023年12月に習近平国家主席がベトナムを訪問した際に以下のとおり明示された。
1.戦略的方向性の一層の強化
2.利益のつながりのさらなる推進
3.友好感情のさらなる深化
4.協力の質のさらなる向上
5.社会的基盤のさらなる拡大
6.国際フォーラムにおける連携の一層の強化
トー・ラム書記長との首脳会談で確認された両国関係の深化
トー・ラム書記長と習近平国家主席は、両国の関係発展に向けて以下の事項に合意した。
・ハイレベル交流を定期的に維持すること
・外交・国防・公安省間の戦略対話を大臣級に格上げすること
・実質的な協力関係をさらに強化すること
・両国政府間の鉄道協力委員会を設立し、鉄道協力を推進すること
・「中越人文交流2025」を成功させ、社会的基盤を固めること
・多国間連携の枠組みをより緊密にし、両国の意見の異なる問題を適切に管理・解決すること
トー・ラム書記長は、両国が戦略的対話を継続し、外交、国防、安全保障といった重要分野での協力関係をさらに強化し、両国の戦略的交通インフラ接続を促進させ、ベトナムへの技術移転や人材育成を強力に支援し、ラオカイ‐ハノイ鉄道プロジェクトをスケジュール通り進めるように努力すると述べた。
トー・ラム書記長はまた、両国関係の新たな“明るい兆し“となるようにDXや科学技術の分野での協力関係強化を促進し、最先端技術分野での協力を進め、よりバランスの取れた貿易関係を模索し、象徴的な大規模プロジェクトを実施し、ハノイをはじめとした主要都市の大気汚染対策に取り組むことを提案した。
両国首脳の合意事項と今後の展望
トー・ラム書記長はまた、両国の若者への友好教育、啓もう活動の強化、両国共産党によるセミナーの開催、教育協力の促進、基礎科学から最先端技術までの幅広い分野での質の高い人材の育成、両国間の観光交流の拡大などを提案した。
これに対して習近平国家主席は、トー・ラム書記長の提案を高く評価し、両国が戦略的信頼関係をさらに強固なものとし、社会主義理論の実践を進め、“一帯一路”構想と“二つの経済回廊・一つの経済帯”構想の連携をさらに高めることを提案した。
習近平主席はさらに、より多くのベトナム産品が中国市場に輸入されることを歓迎し、より多くの企業がベトナムへの投資を拡大させ、サプライチェーンにおける協力を強化し、ハイテク分野での技術協力を拡大させ、人的交流を促進させたいと述べた。
中国は今後3年間、両国の革命の歴史について学ぶ機会を提供するためにベトナムの若者を中国に招待するとも述べた。
習近平総書記は、多国間フォーラムにおける協力について、司法協力やメコン・ランチャン協力枠組みにおける法執行分野での協力を強化し、国境を越えた犯罪を取り締まることを求めた。
両首脳は、各政府部門が積極的に効果的な手段と方法を検討し、国際法に基づいて意見の相違を適切に解決し、両国の関係レベルにふさわしい協力を推進するように指導することで合意した。また、ASEANと中国の間で合意されたDOC(南シナ海行動宣言)の誠実な履行と国際法および、1982年の国連海洋法条約に沿った実質的かつ有効なCOC(行動規範)締結を促進させると強調した。
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