ホーチミン市が「新ホーチミン市」として約1,400万人の人口規模を抱えるようになり、小売業にとって大きなチャンスが広がっている。特に現代的な販売チャネルの拡充は、物流やマーケティング、輸出など多分野の成長を後押しする「エンジン」として期待されている。
スーパーマーケットは専門職
ベトナムでGo!やBig Cを展開するセントラルリテール・ベトナムのポール・レ副社長は、「スーパーマーケットは専門職でありその目的は、良質で適正な価格の商品を1億人のベトナム国民に届けること」と述べた。
同社は進出当初わずか3人の社員から始まり、現在は1万5,000人規模にまで拡大している。教育機関と連携して小売学を学ぶ専門科目の導入も進めており、小売業を専門的職業として確立する取り組みを進めている。
品質管理と価格への信頼が鍵
ポール氏は「価格は安さよりも適切な価格が重要」と強調。野菜や果物など生活必需品には特別価格を設定し、来店した母親が子どもにお菓子や玩具を買える余裕を持てることを重視している。
新ホーチミン市は巨大市場
人口規模が拡大した新ホーチミン市は「外国人がベトナム文化を知る窓口」であると同時に、ベトナム文化を海外へ発信する拠点にもなると指摘。
同社は地域ごとに異なる消費者ニーズ(例:アンラックでは牛肉、タオディエンではサーモンやチーズ)に対応しながら、今後さらに多くのスーパーマーケットや物流拠点を展開する方針を明らかにした。
ベトナム企業への助言
ベトナム企業が自社製品を大手流通網に乗せるには、品質の信頼性、適正価格、ブランド価値が不可欠だという。ポール氏は「技術だけでなく、ストーリーとブランドが必要。まずは1つのスーパーから始め、徐々に拡大すべき」と助言した。
例えば、ラオカイ省のムーンクーン産チリソースは商品力があるものの、認証取得が進んでいないため、セントラルリテールは支援を続けているという。
ロジスティクス改善が不可欠
ポール・レ副社長は、ホーチミン市の小売市場の可能性を発揮するためには物流インフラの整備が欠かせないと強調する。現状では配送・保管体制や冷蔵倉庫の数が限られており、物流コストの高さが課題になっている。
「国際的な商品をホーチミンに持ち込み、同時にベトナムの商品を世界に送り出す。そのためには物流をどう組織するかが最も重要」と述べた。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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