ベトナム初、東南アジアでも先駆け
フエ市がベトナム、さらには東南アジアで初めて、飲料のペットボトルや缶に「デポジット・返却制度」を導入した。飲み終えた容器を返却すれば、現金が戻る仕組みである。
大学キャンパスでの試験運用
9月16日、フエ大学理学部は「中部ベトナムにおけるプラスチック削減都市フエ」プロジェクトの一環として、校内に返却機を設置した。同プロジェクトは、WWFノルウェーの支援を受けてフエ市人民委員会が導入したものである。
この制度では、対象飲料を購入する際に1本あたり1,000VND(約6円)のデポジットを支払い、空き容器を返却すると返金される。さらに、返却者は「スクラップ売却分」として100ドンを受け取ることもできる。
返却機は拡大予定
最初の返却機はフエ大学理学部に設置され、ベトナム企業「Botol Vietnam」が開発した。機械は制度対象外のペットボトルや缶も受け付け、その場合はスクラップ代のみが支払われる。9月20日からは、市内の集合住宅「Nera Garden」にも新たな返却機が設置される予定である。
世界の先行事例と効果
デポジット制度はすでに40か国以上で普及している。たとえばノルウェーでは、アルミ缶やペットボトルの回収率が92.3%に達している。シンガポールも2026年から同様の制度を試験導入する計画だ。
ノルウェー大使館によれば、ベトナムでは使い捨て飲料容器の98%をペットボトルと缶が占めているが、回収率は約50%にとどまる。デポジットを1,000~2,000ドンに設定すれば、回収率は80~90%まで上昇し、年間26万5,000トンのCO2削減や海洋プラスチックごみの削減が期待できるという。
全国展開への布石
今回のフエでの試験導入は、今後ベトナム全土で制度を広めるための重要な実証実験となる。プロジェクト関係者は「容器リサイクルを通じてごみの分別を進め、より環境に優しい消費社会を実現する第一歩になる」としている。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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