近年、TikTok上で注目を集める「対決チャレンジ」動画が過激化している。通行人 の顔にケーキを押し付ける、夜中に他人の家の扉を叩く、葬式の音楽を鳴らすなど、視聴数や「いいね」を稼ぐために行われる行為が目立ち、他人に深刻な迷惑を与えるほか、法を軽視するケースも出ている。
多くの配信者が視聴数稼ぎを優先するあまり、ハラスメントや名誉毀損など法に抵触する行為に走る傾向がみられ、専門家は、これらの行為は重大な法的結果を招く可能性があると警告している。
「対決チャレンジ」とは何か
「対決チャレンジ」とは、ユーザー同士が相手に要求を出し合い、指示された相手が行為を実行する様子を撮影した動画のことだ。挑戦の内容はいたずらや迷惑行為が中心で、従わなければ罰ゲームを受けたりする。
他人を巻き込む「対決チャレンジ」の実態
あるTikTokアカウント同士の「対決チャレンジ」では、数千回の視聴が記録された。TikTokerのBは対決相手のCから「対決チャレンジ」の指示を受け、夜遅くに一般住宅の前で泣きわめき、大声で扉を叩いた。住人が「誰?」と声をかけると、Bは葬式の音楽を流しながら、「姉さん、姉さん」と泣き叫んだ。対戦相手は、Bに対して「もっと泣け、あと10秒」などと指示を出し、OKの合図が出るまで続く。
別の「対決チャレンジ」では逆にBがCに指示を出し、Cは「お誕生日おめでとうございます」と告げながら信号待ちの見ず知らずの人の顔にケーキを押し付けた。
この二例は氷山の一角であり、この二人は様々な過激なイタズラやライブ配信を行い視聴者の興味をひいている。指示する側は、タイマーで制限時間を設定し、夜中の街中で叫ぶ、クラクションを鳴らす、扉を叩くなど指示を細かく行う。
中には「川の下に3日間いたので毛布を貸してくれ」と奇妙な声を出して他人の家の扉を叩いたり、他人の家にいきなり押しかけて自分の妻との不倫を疑う演技をするなどのケースもあり、被害者や周囲の住民に恐怖や混乱をもたらしている。
法的リスクと罰則
ホーチミン市弁護士協会グエン・バン・ハウ副会長によれば、本人の同意なしに行う挑発やいたずらは法律違反となり、行政罰や刑事罰が科される(2021年の政令144/2021)可能性があると指摘する。
SNS動画の過激化への警鐘
今回のケースは、TikTok上で過激な行為がエンタメとして受け入れられる危険性を示している。弁護士は、視聴者や配信者に対して「面白さのために違法行為を行うことの重大性」を警告している。
過激な「対決チャレンジ」動画は、社会的迷惑や法的リスクを伴うことを理解し、無責任な挑戦や模倣を避ける必要がある。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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