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マーケッターの 独り言 Vol.86|直近1年のECデータを分析|ShopeeとTikTokの二強時代

ASIA PLUS代表の黒川 賢吾氏

 ご存知の通り、ベトナムにおけるECは小売全体の成長を超える勢いで拡大しています。そのため今回は、EC統計サービスのMetricを利用し、直近1年間(2024年9月~2025年8月)のデータからEC市場のトレンドを分析しました。

 市場全体ではShopeeとTikTokの二強が鮮明です。Shopeeは売上2531億VND(シェア約55.9%)、TikTokは1532億VND(同33.9%)を記録し、両者で市場の約9割を占めています。TikTokは特に若年層ユーザーへの浸透力が強く、ショート動画による購買喚起が成果に直結しています。

 カテゴリー別では美容(6.4兆VND)、ホーム&リビング(5.2兆VND)、女性衣料(4.2兆VND)が大きな規模を誇ります。Shopeeは食品(1.1兆VND)、家電(1.4兆VND)など生活必需品でも安定しています。一方、TikTokはアパレルや美容といった視覚的訴求に強い分野で存在感を高めています。

 価格帯では「10万~50万VND」と「50万~200万VND」が主力ですが、大手ブランドはEC専任担当を置き、プロモーション内容を頻繁に変えることで消費者を飽きさせない戦略を取っています。その結果、割引やセールを軸にした購買行動が市場拡大を支えています。

 ECの売上上位を占めるブランドは、Apple(39.9%)、Samsung(13.8%)、Xiaomi(8.0%)といったモバイル関連が中心です。携帯電話は単価が高いためランキング上位に入りやすいことが特徴です。

 その一方で、L’Oreal Paris(6.1%)、Huggies(5.7%)、Abbott(5.4%)など日用品や美容・健康ブランドも積極的にECを活用しています。さらにVinamilk(4.7%)、Cocoon(4.8%)といったベトナムブランドも存在感を拡大しており、ECは今後も高い伸びが期待されます。

著者紹介:黒川 賢吾 Kengo Kurokawa
Asia Plus創業者兼代表取締役。NTT、ソニー、ユニクロを経てベトナムで起業。ベトナム最大級のオンラインリサーチパネルを利用して年間200以上の調査をこなすリサーチのプロ。