ホーチミン市都市鉄道管理委員会は、総延長1,012kmに及ぶ都市鉄道計画に沿って、TOD(公共交通指向型都市開発)を展開できる地域を特定するため、コンサルタントを起用する準備を進めている。
都市拡張と発展戦略
9月23日、ホーチミン市人民委員会は英国総領事館と協力し、TOD導入に関する能力強化セミナーを開催した。ホーチミン市人民委員会のブイ・スアン・クオン副主席は、ホーチミン市がビンズン省とバリア・ブンタウ省との合併を経て、面積6,700㎢超、人口約1,400万人の巨大都市に変貌し「新しい段階」に入ったと強調した。新生ホーチミン市は今後、地域の金融・物流・工業・観光拠点となることを目指している。
鉄道網整備の目標
国会決議188号に基づき、ホーチミン市では2035年までに総延長355kmの都市鉄道整備を完了することが目標とされている。現在はメトロ1号線(ベンタイン~スオイティエン)、2号線(ベンタイン~タムルオン)などを重点的に推進中である。
8月にはホーチミン市人民評議会がTOD開発のための法的枠組みを承認し、渋滞解消や効率的な都市交通形成を目指す方針を固めた。
TODモデルの導入と試験的実施
英国交通省傘下のCrossrail Internationalの専門家イアン・リンゼイ氏は、英国、香港、シンガポール、フィリピンの事例を紹介し、「まずは1~3か所で試験導入し、経験を蓄積すべき」と提言した。
ホーチミン市都市開発管理委員会のグエン・トゥアン・タイン氏も、TOD開発は既存の鉄道路線や国有地を優先すべきと指摘し、初期投資は3段階に分けて進め、市場での不動産吸収力を高める必要があると述べた。
今後の投資計画
最初の5年間(2025年から)は、メトロ2号線(年内着工予定)、その延伸線(ベンタイン~トゥーティエム~ロンタイン空港)、環状3号線に投資する。
その後の10~15年でメトロ3、4、6号線を整備し、さらにビンズン方面やブンタウ・ロンタイン空港を結ぶ路線を計画している。最終的には5、7、8、9、10号線も建設し、完全な都市鉄道ネットワークを完成させる構想である。
TOD候補地と駅の選定
ホーチミン市都市開発管理委員会は、まずメトロ1号線、2号線、環状3号線沿いの3つのTODモデルを研究対象とし、11か所の具体的候補地を提示している。
一方、都市鉄道管理委員会のグエン・クオック・ヒエン副委員長は、約1,012kmに700~800駅が設置される見込みだが、「すべての駅がTODに適するわけではなく、適地を精査する必要がある」と強調した。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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