売り場は多いが客足まばら
中秋節(旧暦8月15日)まで残り10日余りとなったが、ハノイの月餅市場は例年にない不振に陥っている。街頭の売り場は多く設置されているものの、客足はまばらで、販売員が客を待ち続ける状況だ。
今年の月餅は原材料や包装コストの上昇により、価格が例年比で5〜10%値上がりした。フーギーの月餅は1個5万8,000〜11万5,000ドン(150g)、キンドーは6万〜9万9,000ドン(150g)、ハノイ菓子会社は5万4,000〜8万8,000ドン(150〜180g)で販売されている。
伝統的な月餅に加え、フカヒレやツバメの巣、ロブスター、キングクラブ、ミルクティー、クランベリーヨーグルト入りなどの高級品も登場したが、個別販売で10万2,000〜12万2,000VND(約600~700円)、箱入りでは30万〜135万VND(1800~8000円)と高額で、購買意欲を刺激できていない。
売れ行き鈍化に販売員も嘆き
ハノイのタンニャン通りの売り場では、1日平均数十個しか売れず、数百万VNDの売り上げにとどまっている。10年以上の販売経験を持つ業者は「これほど不振が続くのは初めて」と嘆く。
手作り月餅も失速
かつて人気を集めた「手作り月餅」も、今年は市場で存在感を失った。3Dデコレーションやアイス月餅、抹茶やミルクティー味など新奇性で人気を博したが、今年は消費者の関心が低下した。注文は昨年の半分以下に減少し、多くの小規模業者が苦戦している。
オンライン市場でも、手作り月餅はほとんど売れなくなった。販売者によれば「新しさがなくなれば、消費者は再び伝統的な月餅に戻る傾向がある」という。
経済的要因と消費行動の変化
食品工学の専門家であるグエン・ズイ・ティン准教授は、不振の背景として「経済的困難による消費の引き締め」を指摘する。贈答用の需要が減少し、家庭用や祭祀用に少量を購入する傾向が強まっているという。
さらに、ShopeeやTikTok Shopなど電子商取引の拡大も影響しており、手作り月餅は「衛生面や出所への不安」から消費者に敬遠されている。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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