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【社会】娘の夢を受け継いだ90歳の母──ホーチミン市に息づく親子の店

娘の店を引き継いだ90歳の女性
(C)THANH NIEN

娘の後を継いで鍋の前に立つ

ホーチミン市で毎朝3時に起き、ブンモック(ベトナム北部の麺料理)を仕込む90歳の女性がいる。
白髪に小さく丸まった背中のその姿に、店を訪れる人々は深い感動を覚える。
彼女の名はリー・バーさん。娘が生前に営んでいた小さな食堂を引き継ぎ、今も変わらず暖簾を守り続けている。

娘の夢を受け継いで

店はホーチミン市フー・トー街区(旧11区)ドイクン通り49番地にあり、創業からすでに40年以上が経つ。
かつては娘のフーンさんが営んでいたため、店名も「フーン」と名づけられていた。
しかし4年前、フーンさんは病に倒れ、この世を去った。

娘を失った悲しみの中で、リー・バーさんは娘の店を引き継ぐことを思い立つ。
「この店で娘の姿を感じられるから」─そう語り、彼女は自ら店を切り盛りし始めた。
「昔、娘が10代のころに“食堂をやりたい”と言い出してね。私はいろんな店を食べ歩いて、このブンモックの作り方を覚え、娘に教えたんです。私は別の仕事をしていたけど、娘が亡くなってからは私が代わりに店を続けています」

「働けるうちは働く」

息子は「もう無理をしないで」と休養を勧めるが、リー・バーさんは笑顔で首を振る。
「自分の力でできるうちは働きたい。生きている限り、何かの役に立ちたいのです」
その言葉どおり、彼女は毎朝3時に起きてスープを仕込み、午前4時には営業を始める。店は午前中だけの営業で、客足が落ち着くと11時ごろに店を閉める。

変わらぬ味、変わらぬぬくもり

一杯5万ドン(約300円)のブンモックには、ボイルしたエビや魚のつみれ、豚足が入り、澄んだスープの優しい甘みが広がる。
常連のレ・キムさん(25歳)は、「味ももちろんですが、90歳で現役の姿に心を打たれます。私たち若い世代にとって本当に励みになる存在です」と話す。

同じく常連のチャン・ビンさん(28歳)も、「調味料を抑えた自然な味が好きです。ホーチミンに来るたびに寄っています」と笑う。

小さな屋台のような食堂に、今日もまた常連客が訪れる。
そこには、娘の夢を受け継ぎ、自らの生き方で“労働の尊さ”を伝え続ける老いた母の姿がある。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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