ベトナムビジネスならLAI VIENにお任せください!入国許可、労働許可証、法人設立、現地調査、工業団地紹介などあらゆる業務に対応します!お気軽にご相談ください!

【健康】デング熱の「知られざる脅威」

デング熱が重症化し集中治療を受ける子ども
(C)THANH NIEN

血球貪食症候群で多臓器不全に 専門医が警鐘

ホーチミン市の小児病院で、デング熱に伴う「血球貪食症候群(HPS)」の症例が相次いで報告されている。まれな合併症ではあるが、進行すると肝臓や腎臓など複数の臓器に障害を引き起こし、命に関わる危険があるという。

7歳男児、重度の肝障害と昏睡状態に

ホーチミン市第一小児病院の集中治療・中毒科のファム・バン・クアン医師は10月19日、「重症デング熱によるショックや多臓器不全で入院する子どもが増えている」と警告した。特に、血球貪食症候群を併発した症例では肝不全や腎不全が深刻化する傾向がみられるという。

最近では、アンザン省在住の7歳男児L.T.D君が高熱と嘔吐、腹痛の症状で同病院に搬送された。発熱から5日目、肥満傾向があり、デング熱と診断された。
初期段階では輸液治療とモニタリングが行われたが、高熱が続き、肝酵素値が急上昇。肝機能障害が進行し、昏睡状態となったため集中治療室に転送された。

フェリチン値8万 命を救った迅速な判断

治療チームは、肝・腎障害に加え急性脳浮腫の兆候を確認し、人工呼吸器管理、持続的血液透析、血漿交換、脳浮腫抑制薬の投与など集中的な治療を実施した。
しかし熱は下がらず、炎症反応が異常に高く、血液検査ではフェリチン値が約8万µg/L(通常500µg/L超で同症候群が疑われる)を記録。血球貪食症候群の可能性が強く示唆された。

血液内科と集中治療科の合同カンファレンスで、抗炎症薬を用いた免疫抑制療法が決定され、投与から24時間後に熱が下がり、肝機能が安定。約3週間の集中治療を経て、現在は意識も回復し、退院が見込まれている。

早期発見が生死を分ける

クアン医師によれば、デング熱に伴う血球貪食症候群はまれだが、発見が遅れると急速に多臓器不全や凝固異常を引き起こし、致命的になりうる。
「高熱が7日以上続き、肝・腎障害や血液異常が見られる場合は、早期に同症候群を疑う必要がある」と強調する。

また、デング熱そのものも現在拡大傾向にあり、心血管ショックや出血性症状、呼吸不全などのリスクがあるため、早期診断と適切な医療機関での治療が欠かせないという。

感染拡大続くホーチミン市 死者17人に

ホーチミン市保健局によると、2025年10月中旬までに市内で約4万694件のデング熱感染者が確認されており、9月末時点で17人が死亡している。
医師らは「2〜3日以上続く発熱に鼻血や歯茎出血、皮下出血、腹痛、嘔吐などが伴う場合は、速やかに医療機関を受診するように」と呼びかけている。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN