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ベトナムで活躍する日系企業|
リーダーたちの構想 第28回
タガ―

ドラえもんを中心としたキャラクターのライセンス(版権)ビジネスを行うタガ―。その事業範囲は広がり続け、パートナー企業との価値創造から自社商品の開発、映画製作にも乗り出すという。創業者の宮本社長が語る。

キャラクターで新しい価値を創る

―― なぜドラえもんのライセンスビジネスを考えたのですが?

宮本 以前から「人を喜ばせる仕事がしたい」と思っていました。2009年に初めてベトナムの空港に降りた時、冗談でなく「ベトナムのために生まれてきた」と実感したんです(笑)。ならば、ベトナム人を喜ばせようと思いました。

 当時のベトナムで日本のイメージは、ホンダ、味の素、ドラえもんなどでしたから、自分の気持ちをドラえもんに託そうと思いました。そこで友人と一緒に会社を立ち上げたのですが、当時はドラえもんの模倣品ばかり。というのも、ベトナムのドラえもんは今から30年前に模倣品から始まったためです。

 しかし、ドラえもんの作者である藤子・F・不二雄先生が来越して、1990年代からコミックの正規版が徐々に広がりました。著作権料の一部が使われて、奨学基金「ドラえもん基金」も設立されています。こちらは出版でのライセンスであり、弊社はそれ以外のビジネスを展開しています。スタートは2010年1月から始まったドラえもんのテレビアニメです。

ドラえもんの映画

―― 日本で放送していた番組ですね?

宮本 はい。放送局であるHTV3(ホーチミン市テレビ)の中に机を借りていました。ブランドビジネスでは知っている人の多さよりも、どれだけ愛されているかが大事。キャラクターを身近に感じてもらうことで、「一生忘れない瞬間」を私たちは作りたいのです。そこでより愛されるように、声優による吹き替え版にしました。ベトナムで初めてのことだったと思います。

 これでコミックによる目の情報から、声が聞こえて動きがある、耳と目で感じられる存在になりました。次に考えたのは商品化です。食事の時のスプーンや学校で使うノートなど、生活の様々な場所でドラえもんと触れ合えます。2011年からはイメージキャラクターとしての販促活動である、テレビCMを始めました。

 2013年はドラえもんの映画が配給し、ベトナム初公開でした。字幕ですと対象年齢が上がってしまうので吹き替えして、映画館で親子で一緒に楽しむという価値が生まれました。2013年に現在のタガ―を設立し、2014年にはイオンモールでのステージショーが始まります。読む、感じるから、「会える存在」になったのです。

 2017年にはYouTubeでの配信を開始し、現在までに約70億回視聴され、今やどこでもドラえもんを楽しめるようになりました。

キャラクターグッズ

―― 顧客はどのような業種が多いですか?

宮本 現在は25社ほどで、約半分が日系企業、残りはローカルとグローバル企業です。業種は売上の規模で、ワンピースやドラゴンボールなどの全キャラクターを含めて、食品・飲料系が7割です。

 ブランドが参入しやすい分野なので差別化が必要になり、消費されればなくなるために消費後の価値を長期化させる役割もあります。

 例えば現在、ロッテ様の「ドラえもんガム」が大成功しています。ドラえもんの顔型のプラスチック容器の中には、パッケージにクイズを書いたガムと、小さなフィギュアが入っています。消費前にも楽しめ、消費後もドラえもんと一緒です。大人になったら別のガムに興味を持ってもらえるかもしれません。

 大切なのは、商品の品質やブランドの方向性、ファンの喜びなどの理念を共有いただけるパートナー企業様と一緒に、キャラクターならではの価値を創出することです。

自社商品開発と映画製作

―― どのようなライセンス契約になっているのでしょうか。

宮本 商品化と販促・キャンペーンに大きく分かれ、商品化は販売価格の数%がロイヤリティになります。契約時に最低保証額(ミニマムギャランティ)を、それを超えた分は追加でお支払いいただきます。販促はタレントさんと同じように1年契約で、価格は一定のキャラクター使用料と、ノベルティがある場合は製造原価によりロイヤリティをいただきます。

 ベトナムの方へ一生忘れられない瞬間を創れるように、テトのお年玉、父・母の日のプレゼント、クリスマスのケーキといった季節もの、誕生日、結婚式、入学・卒業式などの特別な日向けの商品等では、期間限定での契約も可能です。また、感謝を伝えるギフト商品や、生まれてからいつも側にいる商品としてのベビー市場にも力を入れています。

 ドラえもんは世代を超えた人気者です。2019年の映画で約50万人を動員しましたが、その35%は親子、65%は17歳以上の観客でした。ドラえもんは子どもと、昔子どもだった大人の方に愛され、ファンは3世代に広がっているのです。

ドラえもんの商品

 2020年12月18には映画『ドラえもん のび太の新恐竜』が公開予定です。今年はドラえもんが生まれて50周年です。その年末の締めくくりとして皆さんに楽しんでいただき、明るい未来をドラえもんと一緒に創れれば嬉しいです。

―― 自社商品を開発していると聞きました。

宮本 2016年からは弊社独自の商品を開発・販売しています。ファンの方が求めているけど、売場も市場も大きくないため、製造メーカーが少ない商品です。代表的なのはぬいぐるみやフィギュアなどの玩具や雑貨です。

 これまでは限定で製造した数量だけを、イオンさんやファミリーマートさんで販売していました。しかし市場創出のため、9月からは物流会社さんと組んで、定番品として流通できる体制を整えました。その結果、上記の販路や映画館、書店などへ配送の幅が広がり、お客様にお届けしやすくなりました。

 また、今年8月にファミリーマートさんと一緒にキャラクターショップ「WOWO」を、ホーチミン市2区に開店しました。。自社で販売するとお客様の反応がダイレクトで伝わります。日本でドラえもんは「一家に1台ほしい」と思う人が多いのでしょうが、ベトナムでは「ドラえもんになりたい」という人が多い。ですので、ヒーローのようなドラえもんデザインや商品も考えています。

―― これからの目標や計画を教えてください。

宮本 ライセンスビジネスではデジタルやイベントを強化します。その他では親子をつなぐ仕事がしたいです。ベトナム人は家族をとても大切にします。キャラクターに限らず、ベトナムの家族や親子がもっとつながれるように、絵本、親子の料理教室、親子のマラソンなどを展開したいです。

 もうひとつは映画を製作したいと思っています。ひとつのトレンドを生み出すコンテンツとしての映画で、オリジナルの実写映画です。実はシナリオはほとんど出来上がっていまして、来年撮影をして、再来年の公開を目指しています。

 配役はまだ決まっていませんが、オールベトナム人を予定しています。ベトナムから世界へ届けられる作品にして、ベトナムの方が誇れる作品にできれば嬉しいです。

タガーのスタッフ

TAGGER CO., LTD.
宮本洋志 Hiroshi Miyamoto
大学卒業後、玩具メーカーに入社。退社後の2009年に来越して友人と会社を設立し、ライセンスビジネスをスタート。2013年にタガ―を設立。テレビ、映画、商品化、販促等のライセンス事業だけでなく自社商品開発なども手掛ける、