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ベトナムニュース【経営】IT業界は人材不足、好条件でも採用難しく

(C) VNEXPRESS

ベトナムのIT業界の新卒初任給は約350USD程度だが、将来的に企業の技術責任者まで登りつめれば約17倍の給与を得る可能性もある。

TopDevが最近発表した『ベトナムIT市場レポート2022』によると、IT企業で働く入社2年未満の新人プログラマーの給与は350~565USD程度とされている。

経験が5年になれば給与は1410~2230USDまで上がる。10年以上の経験者の場合は、2750USD以上だ。この調査の対象となる給与は税引き前の額で、残業やボーナスなどの手当は含まれていない。

技術者としての道を追求し続けた場合、CTO(最高技術責任者)やCIO(最高情報技術責任者)といった役職が頂点となる。これらの役職の給与は約5933USD程度とされている。

この役職に就くためには、確実な基本スキルを身に着け、管理タスクを処理し、自社の技術に基づいて最適な技術/製品を開発し、COVID-19のような様々な突発的な問題にタイムリーに対処できる必要がある。

以前のNavigosの『2022年給与調査』でも、IT企業の役員や部長クラスの給与はベトナム企業で3000~5000USD、外資系企業で4000~1万2000USDとなっている。

TopDevによると、今年のベトナムのIT人材採用需要は急激に増加しており、求人数が17万5370件と昨年に比べて36.2%も増加している。ベトナムのIT人材の不足は依然として大きな課題となっている。この業界の給与とボーナスは、大幅に増加しているが、2022年から2024年にかけてベトナムでは依然として15万~19万5000人のIT人材が不足するといわれている。

IT人材の不足には大きく3つの理由がある。まず第一に、COVID-19の発生以降の爆発的なデジタルトランスフォーメーションによって、IT企業は多忙を極めている。IT関連企業の55%が製品の開発、サービスの改革、デジタルイノベーションのために、以前よりも多くのエンジニアを採用したいとしている。

Navigosの第2四半期のレポートによると、ウクライナ危機の影響によって、より多くのIT関連業務がベトナム市場に移管されている。そのため、一部の企業は、2022年下半期に向けて迅速にデータセンターを開設したり、ビジネスをデジタル化する必要に迫られている。

Adecco社ハノイ支店の人事部門を担当するハー・グエン部長によると、DX、ビッグデータ、クラウドコンピューティング、IOTなどのトレンドは、IT人材に様々なベトナム企業で働くチャンスをもたらすだけでなく、海外の企業やプロジェクトにリモートで参加する可能性も広げることに繋がっている。

「そのため、多くの企業が魅力的な給与と福利厚生を提供していますが、企業はそれでも専門性の高い人材の確保に苦労しています。」とハー・グエン部長は話す。

IT人材が不足している第二の理由は、海外からの投資によって、ベトナムのIT労働市場が拡大し、これまでにないほどの活況を呈していることがあげられる。ベトナムは周辺国のIT企業がエンジニアを採用して製品開発エンジニアチームを構築するための注目の投資先になっている。

第3の理由は、銀行、旅行業、農業、不動産業などの分野でもデジタル化が進み、オンライン取引が活発になっていることがある。そのため、これらの業界でもIT人材の需要が膨らみ、IT人材不足を引き起こしているのだ。

例えばNavigosが指摘するように現在、銀行のDX担当人材は、質と量の両面で不足している。銀行だけでなく、他の金融機関、eコマース、医療、教育など様々な業界がIT人材の採用を進めており、人材獲得競争は熾烈になっている。

また、NFT、ブロックチェーン、証券などの個人金融投資も日増しに勢いを増している。知識が豊富でトレンドに素早く対応できる一部のITエンジニアは、安定した個人の財務基盤を迅速に確立している。

そのため、TopDevによるとこれらのエンジニアはIT業界から離脱し、個人投資を主要なビジネスとするようになっている。全体として、IT業界では、需要が高いのに供給が少ないため、企業は希望する役職の人材を採用するのに平均51日を費やす必要が出ている。

出典:16/09/2022 VNEXPRESS
上記を参考に記事を翻訳・編集・制作