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ベトナムニュース【社会】ホーチミン市、客が値段を決めるカフェ

(C) VNEXPRESS

ホーチミン市3区ボーバンタン通りにあるカフェは、値段が決まっておらず、客が自分で料金を決めて支払うスタイルで営業している。

このカフェは間口が2.5mほどの小さなカフェだが、朝から晩まで常連客が頻繁に出入りする。建物の外見は看板だけのシンプルなもので、中には10㎡ほどのスペースに椅子がいくつか置かれている。壁際にはコーヒーの焙煎機、抽出機、コーヒーメーカーなどが置かれており、残りのスペースには5人ほどが座れるようになっている。もしそれ以上の客が来た時には路上に出した椅子に座る必要がある。2人いる店員はいつも忙しそうに働いている。この店には値段の書かれたメニュー表が無い。客は帰り際に壁際に置かれた「心付け」と書かれた木箱にお金を入れる。

2021年4月にオープンしたこの店は、オーナーであるオン・タン・ルックさん(50歳)の情熱の賜物だ。ルックさんはベトナムで有名なテニスプレイヤーであり、現在はテニスのコーチもしている。2010年頃からルックさんはコーヒーについて研究するようになった。「コーヒーを研究する過程で、より多くの人にオーガニックコーヒーについてきちんと理解してもらいたいと思うようになったんです。」とルックさんはカフェをオープンした理由を説明する。

ルックさんによるとオーガニックコーヒーとは、栽培や生産において農薬や化学肥料を使用していないコーヒーのことだ。この店のコーヒー豆は、ラムドン省バオロックとダックノン省ダックミルで収穫されたものを使用している。

ルックさんは約10億VNDを投資して焙煎機械やコーヒーメーカーを購入した。この小さな店舗を選んだのは通常のカフェとは違い客がコーヒーを楽しむことに集中できる環境にしたかったからだ。店に来る客の多くはテイクアウトで、開店当初は1日30杯程度の販売だったが、最近では1日に約150杯のコーヒーが売れており、週末にはさらに売り上げが伸びる。またこの店では、コーヒーだけでなく焙煎したコーヒー豆も販売している。

料金を客が決めるスタイルなので、客はコーヒーの味や雰囲気に対して自分の満足する金額を支払うが、お金を払わなくてもかまわない。「市場価格で計算するとオーガニックコーヒーの価格は、通常のコーヒーの2倍はします。そうなると誰もが気軽にこのコーヒーを楽しめなくなるのでこのような料金システムにしたんです。」とルックさんは話す。

ルックさんによると開店当時から数十万ドンを木箱に入れる人もいれば、小銭しか入れない人もいた。そのため、客が周りの目を気にせずに支払えるように、料金を入れる木箱は、壁の隅で他の人から見えにくい場所に設置した。

具体的な価格を設定していないことで、オーナーは請求作業の負担が無くなり、売上を管理しやすくなる。「利益にはあまり関心が無く、売上は全てコーヒー豆の仕入れとスタッフの給料に使ってます。」とルックさんは話す。

店では、各種ドリンクに名前が付けられておらず、スタッフが客の好みに合わせて提案することがよくある。またミルクコーヒーには独特の風味を出すためにコンデンスミルクの代わりに自家製のナッツミルクを使用している。

レ・ヒウ・ギアさんは、この1ヶ月近く週に2回はこのカフェに立ち寄ってミルクコーヒーを2杯テイクアウトする。商品を受け取るとギアさんはバイクを停めて店に入り、木箱に5万VND(約280円)を入れる。「ここのコーヒーは香りが良くてとてもおいしいです。」とギアさんは話す。

2回目の来店だというマイ・コン・ミンさん(26歳)は甘すぎない低脂肪のミルクコーヒーを注文した。今回ミンさんは、店の中で座って他の客とおしゃべりしてすごすことにした。「この店のスタイルはとても興味深いですね。自分の気持ちで料金を払うというのが気に入ってます。会社が近くにあるので、今後は頻繁に通うと思います。」とミンさんは話してくれた。

このカフェは、毎日朝6時から夜10時まで営業している。週末の最も混雑する時間帯は、周辺の会社の従業員でにぎわう10時から14時と16時から18時だ。このカフェの欠点は駐輪スペースが少ないことなので、買いに行く際はテイクアウトした方が無難だ。

出典:16/11/2022 VNEXPRESS
上記を参考に記事を翻訳・編集・制作