ベトナムの主要輸出先において、アメリカはベトナムに対して最も多くの貿易救済措置を適用している国だ。
12月16日にホーチミン市で開催された貿易救済措置に関する記者会見で、商工省の貿易救済局のチュー・タン・チュン副局長は、2022年1月から10月までにベトナムは、各国から224件の貿易救済措置を適用されたと述べた。その理由としてチュン副局長は、世界経済が低迷し、ロシアとウクライナの紛争の解決が見えない中で、多くの国が自国の産業を守るために貿易救済措置の適用を増やしているからだと説明した。
ベトナムの主要輸出先市場の中で、ベトナムに対して最も多くの貿易救済措置を適用しているのはアメリカの43件だ。次いでASEANが42件、インドが29件となっている。EUは、以前より対象件数が14件減少した。
統計データによれば、2022年1月から11月までにベトナムはアメリカに対して約1010億USDを輸出しており、2021年の同時期と比較して17.7%増加した。アメリカ向けの輸出は年々増加しており、一部の商品群は大幅に輸出が増加しているため、チュン副局長は、今後これらの商品が貿易救済措置の対象となる可能性があると指摘する。
ベトナム産のパンガシウス、エビ、ハチミツなどは、アンチダンピング関税措置が最も多く適用されている。特にハチミツは一時期アメリカによって400%のアンチダンピング関税が適用されていた。しかし、商工省が関係省庁と協力して効果的な対応をしたため、ハチミツに対するアンチダンピング関税は、7回の変更を経て58~62%まで下げられた。
パンガシウスとエビに関しては、現在多くの企業がアンチダンピング関税の適用対象から外されている。しかし、チュン副局長によれば現在でもアメリカの商務省(DOC)は、ベトナムの輸出企業を監視している。今後もインフレを抑制し、貿易救済措置を通じて国内産業を保護し、輸出市場の門戸開放に圧力をかけるため、アメリカ政府は様々な措置を講じるとみられている。
そのため、アメリカ向けの輸出企業は過去の事例を積極的に調査し、高いアンチダンピング関税の適用対象となることを避けるために、輸出商品の証明書類を準備しておく必要がある。
各国が輸入品に対する貿易救済措置の適用を強化している中、ベトナム当局もベトナム国内製品を保護するための措置を強化している。これまでに、ベトナムはアンチダンピングやセーフガードなど22件の貿易救済措置を適用している。
出典:16/12/2022 VNEXPRESS
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