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ベトナムニュース【経済】日本企業がベトナムでの高品質な牡蠣養殖事業に挑戦

(C) VNEXPRESS

日本の国際協力機構(JICA)と宮城県の株式会社ヤマナカは、ベトナム国内市場と輸出向けにベトナムでの牡蠣養殖事業を展開したい考えだ。

宮城県の水産業者である株式会社ヤマナカは、JICAの委託を受けて2022年6月から中部カインホア省で生食用カキ養殖の実現可能性調査を実施している。

2月14日に行われた初期調査結果発表によれば、日本の2つの養殖方法による養殖では安定した発育結果を示し、へい死率も非常に低かった。

「このプロジェクトを通じて災害に強い牡蠣養殖プラットフォームを確立し、養殖生産性を向上させ、衛生管理基準を改善することで付加価値を高め、牡蠣養殖業者の収入アップに貢献したいと考えています。」と株式会社ヤマナカの高田社長は話す。

株式会社ヤマナカは、牡蠣の卸売業者でもあり、日本の牡蠣を輸入してベトナム国内で販売している。同社の高田社長は、日本の技術を応用したベトナムの養殖牡蠣について国内販売はもとより、台湾やタイへの輸出も目標に見据えている。

持続可能な水産養殖と漁業にむけた国際協力センター(ICAFIS)が最近発表した調査結果によると、ベトナムには約3000ヘクタールの牡蠣養殖場が存在する。牡蠣は、ベトナムの沿岸28省のうち20省の河口や干潟で養殖されており、最も盛んなのはカインホア省とクアンニン省となっている。

牡蠣の養殖業は現在かなりの高収入をもたらしている。ICAFICの試算ではカインホア省では、下記の養殖筏は種子と人件費を含めて約4500万VNDの投資が必要とされている。1つの養殖筏の売上は3000万~5000万VNDで、通常養殖業者は、3~5隻の筏を所有し、年に3回収穫をおこなっている。

しかしながら、ベトナムの牡蠣の付加価値はまだ低く、専門家はベトナムの牡蠣養殖事業は、その潜在能力をまだ十分には発揮できていないと指摘している。カインホア省では、養殖牡蠣の95%がロブスターの餌とされ、4%が国内市場向け、1%が海外市場向けに販売されている。

また、ホーチミン市のカンゾー県では220ヘクタールの養殖場で年間2万1000トンの牡蠣が養殖されているが、そのほとんどが周辺地域で消費されている。ベトナム国内には牡蠣の殻剥き業者は多数存在しているが、牡蠣を定期的に購入して加工しているのはBIM GroupとVNABSの2社しかない。Viet Truong社やLenger Seafood社も牡蠣の加工をおこなっているが、生産量は安定していない。

「ベトナムの牡蠣養殖業には、輸出向けの清潔な牡蠣を養殖するための水質管理の難しさ、加工技術の未熟さ、自然災害に耐えて味の良い身を育てる技術の不足、良質な種牡蠣が少ないことなどの問題点があります。」とICAFISのディン・スアン・ラップ副所長は話す。

日本側の提案によれば、ベトナムで生食用と輸出用の高品質な牡蠣を養殖するためには、1925年に日本で発明された垂下式養殖法とオーストラリアの養殖かご方式が適している。

垂下式養殖法は、水深の深い場所で有効で中部地方で頻繁に発生する台風などの自然災害に強いという利点がある。養殖かご方式では、牡蠣がプランクトンを摂取しやすいように水面に浮かべたかごを使用する。牡蠣を入れたかごは水の流れと風の力で大きく揺さぶられることで、食べやすい形になる。

「今年か来年には牡蠣の業務包装用洗浄システムを導入したいと考えています。」と高田社長は話す。

第2水産資源養殖試験場の研究員であるグエン・タイン・ルアン氏は、この計画の重要なポイントとして、ベトナムで養殖されている種類の牡蠣は水深の深い場所で養殖することができないため、どの品種の牡蠣を日本の養殖方法で養殖するかを慎重に検討する必要があると指摘する。

現在、ベトナムで主に養殖されているのは真牡蠣(主に日本と台湾から種牡蠣を購入)と岩牡蠣の2種類だ。ベトナムは年間を通じて平均海水温度が28~30℃あるため、天然の種牡蠣を入手することは難しく、多くの養殖業者は、養殖センターから種牡蠣を購入している。

ベトナムでは次世代の販売につながる種牡蠣を扱う養殖センターが少ないため、近親交配が多くなり、生産性の低下につながっている。そのため、日本の専門家による種牡蠣の改善にも期待が集まっている。

出典:14/02/2022 VNEXPRESS
上記を参考に記事を翻訳・編集・制作