当社が2025年3月に行ったベトナム全国の1000人を対象にした調査によると、冷蔵庫や炊飯器、スマートフォンといった基本的な家電製品はほぼ全世帯で普及しており、それぞれの所有率は99%、98%、98%に達しています。洗濯機と薄型テレビも普及率が高く、全国平均で91%と94%を記録しています。
一方、エアコン、電子レンジ、ミキサー、パソコンなどの所有率には大きな違いがあります。ハノイとホーチミン市の都市部でのエアコン所有率は92%に達する一方、地方では74%にとどまっています。
また、電子レンジの所有率も都市部で64%であるのに対し、地方では34%と低く、都市部の方が利便性を求める傾向が強いことがわかります。ミキサーについても、都市部では62%が所有していますが、地方では44%にとどまっています。
さらに収入別に見ると、世帯月収2500万VND以上の高収入世帯は洗濯機の所有率が97%、エアコンが93%と非常に高い数値を示していますが、世帯月収1490万VND以下の低収入世帯ではそれぞれ75%と50%です。
電子レンジの所有率も大きな差があり、高収入世帯で63%が所有しているのに対し、低収入世帯ではわずか19%です。また、ミキサーやパソコンの所有率も高収入世帯で高く、69%と70%に達しているのに対し、低収入世帯では26%と21%にとどまっています。
この調査結果から、特に高収入層や都市部では利便性を重視する傾向が強いことが明らかです。今後も経済成長に伴い、家電製品の普及がさらに進むことが予想されます。
著者紹介:黒川 賢吾 Kengo Kurokawa
Asia Plus創業者兼代表取締役。NTT、ソニー、ユニクロを経てベトナムで起業。ベトナム最大級のオンラインリサーチパネルを利用して年間200以上の調査をこなすリサーチのプロ。
その他のベトナムマーケティングコラム
Vol.80|ベトナム人はどう考えている?代表的なベトナム企業について
Vol.79|Facebookの人気が落ちない 背景にはベトナム独自の利用方法