毎年、海外に派遣される労働者の半数以上が日本に向かっている。現在、ベトナム人技能実習生は、20万人以上が日本に滞在しており、ベトナムは日本にとって最大の労働者送り出し国となっている。
8月25日に開催されたベトナムと日本の外交関係樹立50周年記念セミナーで、海外労働管理局のファン・ビエット・フーン副局長は、日本に技能実習生を送り出している15カ国の中でベトナム人が最多であると述べた。ベトナム人技能実習生は、2013年の約1万人から2019年には8万2700人と8倍に増加した。過去30年間に日本は40万人以上のベトナム人技能実習生を受け入れてきた。
また、特定技能労働者(技能実習生よりも長期に滞在でき給与条件も良い)も約8万人が日本に滞在しており、その多くが技能実習生からの移行となっている。また、1700人の介護士、6万5000人のエンジニア、通訳者が日本で働いている。2022年末時点で、日本で働いているベトナム人は34万5000人を超えている。
フーン副局長は、ベトナムと日本の素晴らしい友好関係を認めたうえで、1992年から現在まで実施されている技能実習制度では多くの課題が明らかになったと指摘した。具体的には、技能実習生は最低賃金しか支払われず、日本人と同様のボーナスや手当も支給されない。また、技能実習生は仕事が合わなかったり、雇用主が不当な扱いをしたとしても転職が認められていない。
「技能実習生の逃亡や不法滞在件数は減少していますが、まだ改善の余地は十分にあります」とフーン副局長は述べ、その原因として候補者の選定が適切ではなく、一部の日本の組合が手数料を要求することで労働者の負担が増していると指摘した。更にフーン副局長は、多くの地方企業の労働環境は適切ではなく、重労働の割りに給与が低く、更に円安が進んだことで労働者は、規則に反してでも外部で働かざるを得なくなっているとも述べた。
在ベトナム日本国大使館の渡邊次席公使は、日本で働くベトナム人は過去10年で10倍に増加し、最も多い国になったと述べた。「ベトナム人材は勤勉で、日本の社会・経済発展に多大な貢献をしてきました」と渡邊次席公使は強調し、日本貿易振興機構(JETRO)の調査によれば、ベトナムは投資を希望する日本企業にとって最も協力に前向きな国の1つとされていると述べた。
労働者保護を強化するための協力関係を更に強化したことで、両国政府は、規定に反した企業の厳格な処分を進めており、その中で技能実習生の逃亡率が高すぎる4社が、送り出し資格停止処分を受けている。
ベトナム側は日本に対して技能実習生受入れプログラム、高度人材受入れプログラムを改善し、高齢者向けの介護人材受け入れプログラムを再検討するよう求めた。一方で日本側は、技能実習生の受け入れ分野をレストラン、ホテルのサービス、都市鉄道と高速鉄道のメンテナンス、地下工事などにも拡大することを検討している。
ベトナムと日本は1973年に正式に外交関係を樹立した。ベトナムが初めて日本へ技能実習生を派遣したのは1992年だ。技能実習期間は3~5年で平均月収は1200~1400USDとなっている。
現在、50以上の国と地域で60万人以上のベトナム人が働いており、正式なルートだけでも毎年40億USD近くの外貨がベトナムに送金されている。このうち、日本、韓国、台湾が全体の90%以上を占めている。
出典:25/08/2023 VNEXPRESS
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