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【社会】工場製品の横流し被害の実態

(C) VNEXPRESS

工場で製造した製品が横流しされると、企業はパートナーによる注文のキャンセル、金銭的な損失、信頼の低下、時間の損失など様々な問題に直面する。

ホーチミン市のS.H Vina社では輸出用の衣料品を専門に製造しており国内には販売していないが、輸出前の製品が国内市場に出回っていたことが何度もあった。経営陣が生産プロセス、倉庫管理、出荷方法などを繰り返し確認したが抜け穴を発見することはできなかった。流出ルートの根元を断つことが出来なかったため、経営陣は各店舗を回って横流し品を改修するためのチームを組織することにした。

「弊社独自の摘発チームもあれば、お客様の摘発チームもあります」と生産管理部のボー・ミン・フン部長は、顧客から1区のショッピングセンターで同社の横流し品が展示されている写真が送られてきた時のことを話す。送られてきた写真の製品はアメリカへ輸出するために同社が製造した商品だった。顧客のブランドがこの商品を店頭に並べる前に既にベトナムの市場で販売されていたのだ。

「それは、偽物ではなく、間違いなく弊社の製品でした」とフン部長は振り返る。輸出される全ての製品には製造場所の情報があり、布地、糸、付属品などによっても識別が可能だ。製造請負企業の製品が横流しされた場合、機密保持契約違反となり、顧客は、全ての注文をキャンセルする。これは、製造請負企業にとって金銭的な損失が発生するだけでなく、パートナーへの信頼を失うという大きな問題が生じる。

トゥードゥック市にあるST Saigonの工場でも、近日発売予定の粉ミルクのおまけとして製造を依頼された熊のぬいぐるみの写真がSNSに投稿されているのを顧客が発見し、同じような問題が発生した。「会社に出入りした全ての人が厳しくチェックされ、ぬいぐるみがどこから流出したのかが調べられました」と同社の人事責任者であるクイン・グエン氏は話す。

取締役会は、セキュリティチームと人事部に過去数ヶ月の監視カメラ画像を確認するよう指示したが、不審なケースは発見されなかった。最終的に、同社はネット上に投稿された写真の出所を追求することを第三者機関へ依頼した。その結果、写真の主は同社の従業員だったことが分かった。この人物は、毎日少しずつぬいぐるみの材料を上着のポケットに入れて持ち帰り、娘にプレゼントするために家でぬいぐるみを完成させていた。

「今回のケースは極めてまれですが、会社は対応に大変苦労しました」とクイン・グエン氏は話す。同社は、顧客に状況を説明し、あらゆる罰則を受け入れざるを得なくなる。今回は、流出したのが1個だけで、既に回収されたため注文はキャンセルされなかったが、同社の信用には傷がついた

従業員は熊のぬいぐるみを一つ持ち出すくらいは、大した金額ではないと考えるが、実際の損害は非常に大きなものになる。今回持ち出した従業員の状況を考慮し、会社は来季の賃金を上げないという処分にとどめた。その上で、会社は従業員向けに説明会を実施し、たとえ余りの布地であっても会社の所有物を無断で持ち出すことは禁じられていることを説明した。

企業の製品の横流しは、最近12区の韓国系企業Nobland Vietnamでも発生した。約3000枚のTシャツを紛失した後、犯人を見つけることが出来なかった同社は、その商品を回収するために7000万VNDを費やした。その後、同社は、最終工程を担当していた100人以上の従業員の給料から回収費用を差し引くことを決めた。これに対して、多くの従業員が猛烈に反対し、会社の処分には法的根拠がないとして給料の全額支払いを求めた。

ホーチミン市労働総同盟のグエン・タイン・ドー法務局長は、工場で製造した製品が紛失し、外部に横流しされるというのは珍しいことではないと話す。紛失した商品の量によって、各企業の対応も異なる。大量の商品が紛失した企業では、盗難事件として完全に解決するために警察に届け出ることも珍しくない。

ホーチミン市工業団地・輸出加工区労働組合の元会長だったドー氏は、S.H Vinaで数万枚のシャツが紛失した事件の処理に参加したことがある。当初、工場内で働く労働者に疑いを向ける関係者もいたが、取締役会は、窃盗犯がつけこんだ可能性のある穴を探すために、管理プロセス全体を見直すというより安定した方法を採用した。

その結果、工場内には監視カメラと警備員が配置され、原材料の搬入から完成品を倉庫に保管し、出荷するまでの全てのプロセスを追跡できるようにした。工場から港や空港までの輸送についても位置測定によって追跡確認した。しかし、工場から目的地までの輸送時間については確認していなかった。あらゆる措置をほどこした結果、港への商品の輸送中に商品が抜き取られている可能性があると考えた会社側は、警察に捜査を依頼した。

警察が捜査した結果、運送会社の一部のメンバーが複数の人物と共謀して、商品を空港に運ぶ途中で商品を盗んでいたことが発覚した。このグループは、位置測定機能を無効にして、トラックを特定の場所まで移動させて商品を受け取っていた。警察は、窃盗団を摘発し、多くの共犯者が逮捕された。この事件のあと、同社は空港までの輸送時間を管理することを決めた。

Pouyuen Vietnamの労働組合副会長であるキム・ヴィン・クーン氏は、以前工場で数百足の輸出用の靴が盗まれたことがあると話す。被害にあった数量が大きかったため、同社は窃盗ルートが確立されているのではないかと考え、警察に通報した。

「警察は工場の従業員と会社に出入りする車両、警備員などの関係性をしらみつぶしに捜査しました」とクーン副会長は話す。この事件のあと、同社は様々な場所に監視カメラを設置し、窃盗ルートを遮断するために警備員を継続的に入れ替えたりシフトを定期的に交代させることにした。

クーン副会長によれば、窃盗事件が発生した際、経営陣は、関係のない人の評判や名誉に悪影響を及ぼすことを恐れて、従業員への直接の事情聴取などはおこなわなかった。最善の方法は、当局に通報して調査を依頼し、適切な人物を処分し、商品の横流し状況を阻止することだと考えたのだ。

出典:2024/05/15 VNEXPRESS提供
上記記事を許可を得て翻訳・編集して掲載