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【経済】酒類の特別消費税率を100%に引き上げ

(C) VNEXPRESS

ベトナム財務省は、ロードマップに基づき2030年までに酒類の特別消費税を100%に引き上げることを提案した。

政府に提出された特別消費税法改正草案において、財務省は全てのアルコール飲料、果物や穀物の発酵食品、食用アルコールから製造された飲料の税率を引き上げることを提案した。さらには、ソフトドリンク類も今回の増税対象に含まれている。

現在、ビールの特別消費税率は65%、酒類は、アルコール度数に応じて35~65%となっている。ただし、この税率は、2026年~2030年のロードマップに従い調整することを財務省は提案している。これは、世界保健機関(WHO)の勧告に従いアルコール類の販売価格を10%引き上げることを目的としている。

具体的に財務省は、アルコール度数20度以上の酒類については2026年までに特別消費税を80%まで引き上げ、その後、2030年まで段階的に100%まで引き上げる案を提唱している。アルコール度数が20度未満の酒類については特別消費税を50%とし、その後最大70%まで引き上げる。ビールも80%まで引き上げ、その後100%まで段階的に引き上げる。

「2026年には、アルコール類の販売価格が2025年から20%上昇する見込みだ」と財務省は指摘し、その後もアルコール類の価格は、インフレと経済成長率に応じて年に2~3%ずつ上昇すると予測している。

ビール、酒、ソフトドリンクの産業発展計画によれば、2025年までにベトナム国内での製造量は、ビールが46億リットル、酒類が3.5億リットル、ソフトドリンクが91億リットルに達する見込みだ。またこれらの飲料の輸出額も6億USDに達するとみられている。

財務省は、ビールや酒の濫用は、消費者の健康に悪影響を与えるだけでなく、社会秩序や交通安全にも影響を与えると指摘している。また、ビールや酒などのアルコール飲料には依存性があり、簡単に依存症に陥る可能性がある。

「ビールや酒類の過剰摂取による悪影響について意識を高め、正しい行動をするためには、高い税率の適用が必要だ」と財務省は指摘している。財務省はさらに、高税率がアルコール飲料の消費を抑制し、依存症などの発症を防ぐことにもつながるとしている。

この税率引き上げに関しては、これまでに多くの企業が、業界に深刻なダメージを与え、税収減につながるとして政府に対して見送りを提案してきた。ビール・酒・ソフトドリンク協会の推計によれば、昨年、ビール業界の売上は11%減少し、利益は23%減少している。

アルコール飲料業界によれば、税率の引き上げは販売価格調整を引き起こし、消費習慣変化の効果的な手段にはならないとしている。その代わりに、政府は、業界の企業に対して新技術の導入を促進し、消費者と経済に利益をもたらす製品を開発することを奨励すべきだとこの業界は主張している。

財務省は、今回の草案でビールや酒類に加えて、国際的な慣例に合わせて特別消費税の対象範囲を拡大することも提案している。

具体的には、草案では増税対象となる品目に紙巻きたばこ、葉巻、パイプタバコ及び、その他のタイプのタバコが含まれている。タバコの税率は当面75%に据え置くが品目によっては、税率が段階的に引き上げられる。

財務省によれば、2026年から2030年にかけて紙巻きたばこの税金負担額は1箱あたり5000~1万VND増加し、葉巻は1本あたり5万~10万VND、紙タバコなどは100gr/mlあたり5万~10万VND増加する。

財務省によれば、上記の規定によって男性の喫煙率は2022年の42.7%から2030年には、38.6%に減少する見込みだ。また、タバコの税収も2030年には39兆2000億VNDまで増加し、2022年の2.2倍になる見込みだ。

出典:2024/06/13 VNEXPRESS提供
上記記事を許可を得て翻訳・編集して掲載