ベトナムビジネスならLAI VIENにお任せください!入国許可、労働許可証、法人設立、現地調査、工業団地紹介などあらゆる業務に対応します!お気軽にご相談ください!

【不動産】ホーチミン市中心部の家賃高騰で撤退する大手ブランド

(C) VNEXPRESS

ホーチミン市中心部の店舗物件の賃貸料は、月額1万~4万USDで、2年ごとに10%程度上昇しており、大手ブランドですら生き残るのが難しくなっている。

スターバックス・リザーブは、7年間の運営を経て家賃が月額3万USDに達した時点で、ホーチミン市1区ハントゥエン通りの店舗を返却した。情報筋によれば、同社はこの物件を当初、月額2万1000USDで契約していた。

実際、安定した顧客数を誇る大手のスターバックスだけがホーチミン市中心部の賃貸物件の家賃に苦しんでいるのではなく、今年に入ってから他の多くの大手ブランドも店舗の賃貸を解約している。経営状況が厳しい中で、家賃だけが上がり続けている。

ある大手F&Bブランドも大家が家賃を12%値上げした場合は、今年一杯で1区グエンフエ通りの店舗を解約する予定だ。タイバンルンエリアに店舗を構える別のブランドも月額6億8000万VNDの家賃が負担となっており、解約を予定している。

これより前にハイランズ・コーヒーもグエンズー通りとパスター通りの角にあった物件を返却した。Yen Sushiはドンコイ通りにあった8号店を閉店しており、ファッションブランドのMIAも3月にリートゥチョン通りのフードンロータリー前店舗を解約した。この店舗の家賃は7億VNDで、2019年から現在までに4回も入居ブランドが入れ替わっている。

美容関連企業を経営するグエン・ホン・アンさんは、1区チャンフンダオ通りの3階建ての物件を月額3億8000万VNDで借りており、年間の家賃は45億VNDを超えている。アンさんは、家賃が高すぎて経営を圧迫しており、最近ではこの店舗で利益を出すことが難しくなっていると話す。さらに、店子の経営状態にかかわらず家賃は2年ごとに10%も上昇しており、経営が厳しくなったアンさんは、より安い別の物件を探している。

3区ボー・バン・タン通りにある美容外科は、3階建ての施設の家賃に月6億VND近くを費やしている。目立つ立地によってブランド価値は高まったが、関係者は毎月の赤字が数億VNDあり、そのほとんどが家賃だと話す。

ドンコイ通り、グエンフエ通り、レロイ通り、ハイバーチュン通り、ゴードゥックケー通りなどの最高級立地条件の店舗でも、数億から場所によっては10億VND以上の家賃を支払える顧客を見つけることが出来ず、年中空き店舗となっている物件が存在する。

借り手が誰もいなくても、家主は価格を下げるより空き物件のままにしておくことを選ぶ。CBRE Vietnamのズーン・トゥイ・ズン社長は、ホーチミン市中心部の土地の平均価格は、市内の他の地域の平均価格のおよそ5倍だと指摘する。物件の賃貸料の高騰によって、大手ブランドチェーンが中心部から遠ざかる現象が起きている。さらに、消費力の落ち込む中で、企業のコストの大部分を家賃が占めており、中心部の物件の魅力が低下している。

中心部の物件を取り扱っているチャン・ホアン・チュン・ティンさんは、1区と3区の中心部の家賃は、企業にもたらす価値や効果と比べても3~4倍は高いと指摘する。サイゴン大教会、中央郵便局、4月30日公園のある中心部では、小さな敷地でも賃料は5.5億~10億VNDもする。この家賃では、いくら顧客が多くても利益を出すことは難しく、場合によっては大きな損失を被る可能性がある。しかし、これらの場所にはイメージアップの効果があるため、多くの大手ブランドがそれを受け入れ、他の支店で損失を補填している。充分な資金とブランド力のある企業だけがこれらの場所で営業することが可能になるのだ。

中心部の多くの物件が顧客が見つからなくても高い家賃を維持する理由について、不動産専門ウエブサイトバットドンサンの営業部長であるディン・ミン・トゥアン氏は、土地の価格査定は通常、毎月または毎年の物件の賃貸価格から算出される。もし、年間で100億VNDの家賃収入が見込める100㎡の物件があれば、通常その物件の価格は3000億VNDと算出される。もし、賃貸料を下げると物件の価値も下がる。そのため、中心部の物件は、市場や顧客から敬遠されても賃貸価格を上昇させ続けている。

しかし、トゥアン氏は、ホーチミン市中心部の高級物件であっても需要と供給の法則には従わなければならないと話す。市内の店舗物件は、オンライン販売の爆発的な普及に伴うビジネスモデルの変化の影響を強く受けている。以前は、中心部の通りは外国人旅行者が集まる歓楽街として賑わっていたが、最近は消費習慣が変化し、経済状況が厳しい中で、外国人旅行者数は思ったほど回復しておらず、高い賃料を払ってまで物件を確保する必要性が下がっている。

また、従来のマーケティング手法も変化している。そのため、企業側もブランドイメージを守るためだけに中心部の店舗を選ばなければならない訳でもなくなった。

DKRAグループのボー・ホン・タン副社長も同様の意見で、どれほど大きなブランド企業であろうとも経営効率とブランドイメージの価値について計算する必要があると指摘する。長期間賃貸するためには、収益が損益分岐点にあるか、少なくとも損失補填が教養範囲内でなければならず、中心部の高級物件の価格にも上限がある。「中心部の物件は常に顧客からの問い合わせがあるが、家賃が妥当な金額でなければ契約は成立しないでしょう」とタン副社長は話す。

先日、クッシュマン&ウェイクフィールドが公表したレポートによれば、ベトナムには世界でもトップクラスに賃料の高い通りとして、1㎡あたり月額350USDのドンコイ通り(世界13位)と1㎡あたり月額300USDのチャンティエン通り(世界17位)の2か所が存在する。ここまで高くなくても周辺のグエンフエ通り、ゴードゥックケー通り、レロイ通りなども1㎡あたりの価格が月額180~250USDもかかる。

出典:2024/08/26 VNEXPRESS提供
上記記事を許可を得て翻訳・編集して掲載