1ヶ月に約1000個の笑気ガス(亜酸化窒素)の入った風船を吸引した21歳の男性が、四肢の筋力低下や感覚以上により歩行困難となり、175軍事病院に運ばれた。
2025年1月に175軍事病院は、笑気ガスの濫用が原因で重篤な状態となった若い患者3人を連続して受け入れたと発表した。
特に深刻だったのは21歳の女性Cさんだ。この女性は、笑気ガスの他にも興奮剤などを使用しており、重度の依存症に陥っていた。Cさんは病院に運ばれる3日前に高頻度で笑気ガスを吸引した結果、言語障害が発生した。病院でMRI検査をしたところ大脳の両半球と脳梁に広範囲な神経損傷が確認され、長期的な後遺症が残る可能性が高いと診断された。
その1週間後に病院に運ばれてきた21歳の男性Kさんもこの病院に入院することになった。Kさんは四肢に感覚異常が発生し、筋力も低下したことで自力歩行が困難な状態だった。Kさんは過去にも依存症が原因で入院歴があったが、仕事のストレスを解消するために再び笑気ガスを吸引するようになり、過去1ヶ月で約1000個笑気ガス風船を吸引していた。
3人目の24歳の男性Mさんは、運動障害、感覚異常などKさんと似た症状で病院に運ばれた。MRI検査の結果、脊髄に深刻な損傷が確認され、血液検査でも以上が確認された。Mさんは、過去3ヶ月にわたって笑気ガスを常用していたと話している。
3人とも意識ははっきりしていたが、後遺症が残る可能性が高いとみられている。
175軍事病院の神経内科主任を務めるギア医師によれば、笑気ガス(亜酸化窒素)は本来医療用の麻酔や鎮痛目的で使用されるものだが、最近では、娯楽目的での濫用が深刻化している。笑気ガスを吸引すると一時的には多好感を得られるが、濫用すれば中枢神経に悪影響を及ぼすとされている。
笑気ガスを濫用するとビタミンB12が欠乏し、神経系に深刻な影響を与え、脊髄損傷、末梢神経障害、精神疾患、心血管系疾患などを引き起こす可能性が高まる。
「この病院に運ばれてきた若い患者の多くは、リラックスやストレス解消の目的で笑気ガスを吸引していましたが、これは依存症を引き起こし健康に深刻な被害を及ぼす可能性のある危険な行為です。最近では、若者の間でリスクを軽視し、濫用するケースが増えており危惧しています」とギア医師は話す。
※記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。