3月12日にベトナムのトー・ラム書記長とシンガポールのローレンス・ウォン首相は、ベトナムとシンガポールの関係を包括的な戦略的パートナーシップに引上げることで合意したと発表した。
ローレンス・ウォン首相は、ベトナムとシンガポールの両国が協力関係の強化や国際犯罪の防止対策など様々な協力文書に署名したと明らかにした。また、DX、デジタルエコノミー、フィンテック、グリーンエコノミー、再生可能エネルギーの分野で両国の協力をさらに強化することも確認した。
ウォン首相はさらに、ベトナム・シンガポール工業団地(VSIP)の拡大にも積極的に取り組み、雇用を創出し、よりスマートで先進的なVSIPを構築するという方針を打ち出した。
戦略的パートナーシップの意義
トー・ラム書記長は、ウォン首相との会談を率直かつ誠実で相互理解に基づく素晴らしい会談だったと評価し、両国は相互信頼と共通の利益の基に、二国間関係を引き上げることにしたと述べた。
関係引上げによって、両国の政治的信頼の強化、幅広い分野での協力の拡大が進められ、国際関係のモデルとなる関係を構築することを目指している。
両国は、今後の包括的な戦略的パートナーシップの具体的な展開方針について、政治的信頼を向上し、高官レベルでの交流を促進するとともに経済、貿易、投資、DX、イノベーション、グリーンエコノミー、クリーンエネルギーなどの分野で協力をさらに進めることで合意した。
また、安全保障、防衛、文化、教育、観光、民間交流などの分野でも更なる協力を進めるとしている。
シンガポールにとって初の包括的戦略的パートナーシップ
シンガポール外務省によれば、シンガポールがASEAN加盟国と包括的な戦略的パートナーシップを締結するのは今回が初めてだ。
両国は、VSIP2.0による低炭素排出の革新的な工業団地の開発に向けて協力し、DXを通じた港湾や海上インフラの整備における協力を促進することで合意した。
ウォン首相は、ベトナムの人材育成を支援するために、両国の人材交流プログラムを改革することに意欲を示した。また、シンガポールの学生もベトナムへ派遣し、学習や研究の機会を提供するとともに、文化・スポーツ分野での若者世代の交流を促進し、両国の友好関係をさらに強固なものにしたいとの意向を表明した。
協力文書の締結
今回の首脳会談に先立ち、両国首脳は以下の協力文書締結式に立ち会った。
・国境を超えた犯罪防止に関する協力協定
・DXに関する覚書
・ベトナムとシンガポールの洋上風力発電の商業化協力に関する報告書
・金融イノベーションの協力強化に関する覚書
・ナムディン省とゲアン省のVSIPインフラ建設と運営の投資プロジェクトに対する方針決定文書
・A*Star、Sembcorp、Becamexの3者による協力覚書
今回の包括的な戦略的パートナーシップの締結によって、両国の関係はさらに強化し、経済、技術、安全保障、人的交流など様々な分野での連携が進むことが期待されている。
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