狂犬病の感染源、国境地帯で確認
クアンガイ省の国境地帯にあるイアトイ村で、狂犬病の感染源が確認された。これまでに15匹の犬が処分され、少なくとも2人の住民が狂犬病に感染した犬に咬まれ、ワクチンおよび免疫グロブリン(抗狂犬病血清)の接種を受けた。
この情報は、クアンガイ省家畜衛生課が7月22日正午に明らかにしたものである。
発端は異常行動を示した2匹の犬
7月9日朝、イアトイ村の住民が、泡を吹き、唾液を垂らし、他の犬を攻撃するなど、異常行動を示す2匹の犬を発見した。そのうち1匹は、狂犬病特有の症状である後肢に麻痺の症状が見られた。
地元当局が確認したところによれば、この2匹は9匹の犬と1人の住民を咬んでいた。関係機関が直ちに1匹を捕獲・処分し、検体を検査したところ、狂犬病ウイルスの陽性反応が出た。
15匹の犬を一斉処分、住民にもワクチン接種
咬まれた9匹の犬のうち2匹が検査され、1匹が陽性だったことを受けて、地元当局は感染の疑いがある計15匹の犬を全て捕獲・処分した。
また、イアトイ村で2人の住民が犬に咬まれたことが確認され、両名は狂犬病ワクチンおよび抗血清の投与を受け、現在は経過観察中である。
約300匹の犬を飼育、対応に課題
イアトイ村は約290匹の犬が飼育されており、監視・感染防止の体制に大きな負担がかかっている。これを受けて、同村および省の家畜衛生当局は、犬猫の域外搬出を全面禁止した。また放し飼いの犬を捕獲する専用チームを編成し、感染拡大を防止する方針を打ち出している。
さらに感染源に接触した可能性がある世帯を優先対象として、犬猫への狂犬病ワクチン接種を急ぐよう指示した。
感染隠し・売買・と殺は厳禁
家畜衛生当局は、「異常行動を示す犬猫を発見した場合は速やかに通報してください。感染の隠蔽や、疑わしい犬猫の売買・と殺は絶対に避けてください。感染状況が落ち着くまで、飼育動物は屋内飼いを徹底してください」と強調している。
広大で人口希薄な国境社会、監視体制に限界も
イアトイ村はクアンガイ省内最大の面積(760平方キロメートル)を有し、山岳地帯が大半を占める。人口はわずか7,200人と分散しており、感染状況の把握と防疫措置の実施が困難な状況となっている。
現在も省当局は、感染の封じ込めに向けて日々の監視と情報収集を続けている。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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