高額設定が影響か、競売不成立に
高級車メルセデス・ベンツの大手販売代理店として知られるHaxaco社(正式名:ハンザン自動車サービス株式会社)は、ホーチミン市ボーバンキエット通りに保有する6,282.6㎡の土地を競売にかけたが、応募者ゼロで入札が不成立となった。
入札価格は1億8000万VND/㎡以上、目標額は1兆1300億VND
この不動産の最低落札価格は1㎡あたり1億8000万VNDを超えており、売却総額は1兆1300億VND超(約63億円相当)を見込んでいた。
しかし、2025年7月31日17時の締切までに参加申請も保証金の支払いもなかったことが、競売委託先の「ベトナム競売会社ホーチミン支店」よりHaxacoに報告された。これにより、8月5日に予定されていた競売は中止となった。
土地は複合施設建設のため取得
この土地の一部は、Haxacoが2022年8月にN&T投資株式会社および個人のブイ・チュン・クアン氏からおよそ4700億VNDで取得したもので、当初は高級マンションと自動車ショールームの複合施設開発が計画されていた。
その後、同社はさらに土地を取得し、現在の面積まで拡大していたが、現在、高級車市場が低迷しており、販売戦略の転換を迫られている。
株主の意見を得て、経営陣が柔軟な交渉へ
Haxacoは2025年5月に株主の書面決議を得て、経営陣に対し価格交渉の権限を委譲済み。今後は条件を柔軟に見直して再売却を模索する可能性がある。
業績悪化の中での資産売却か
売上・利益ともに減少傾向続く
Haxacoは2025年第2四半期、売上高を1兆290億VND(前年比8%減)と報告しており、税引き前利益は175億VNDで、前年同期比で38%の減少となった。
2025年上半期累計では、売上高は前年同期比8%減の1兆9870億VNDとなり、税引前利益も前年同期比42%減の402億VNDという苦しい状況が続く。
高級車市場の低迷とコスト上昇が影響
同社のドー・ティエン・ズン会長は、証券委員会への報告で、「高級車セグメントは依然として厳しい状況にあり、明確な回復傾向は見えない」と説明している。
一方で、一般車セグメントには回復傾向が見られるとし、事業全体では一定の安定性を保っている。しかしながら、借入金利の上昇や事業拡大に伴う費用増が、業績に悪影響を与えている。
ベトナムでのメルセデス販売シェア約40%
Haxacoはベトナム国内でのメルセデス・ベンツの正規販売代理店として最も高いシェア(約40%)を誇る。
今回の不動産売却の背景には、業績不振とキャッシュフロー確保の狙いがあるとみられている。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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