輸出額が大幅増、農漁業とも好調
ベトナムの農林水産物輸出が好調で、特にコメや水産物、果物の輸出額が大きく伸びている。農家や企業は高値での取引により利益を拡大している。
これは8月12日、ホーチミン市で開かれた「2025年農林水産物輸出促進会議」(農業・環境省主催)で報告された内容だ。
コメ輸出、世界2位を維持
ベトナム食糧協会(VFA)のドー・ハー・ナム会長によれば、2025年1〜7月のコメ輸出量は550万トン、前年同期比3.1%増で、輸出額は28億USDに達した。通年では880万トンに達する見込みで、世界第2位の地位を維持している。
ベトナム産のコメはブランド化が進み、需要が供給を上回る状況にある。今後は日本や韓国、アフリカ市場への進出を強化し、高品質品種「ST25」などの専用栽培地域を拡大する方針だ。
果物輸出、米国市場に成長余地
ベトナム野菜果物協会のグエン・タイン・ビン会長は、米国が果物輸出の成長市場であると指摘した。現在は在米ベトナム人やアジア系向けが中心だが、健康志向の高まりで加工果実の需要も見込まれる。
ただし、米国向け果物は20%の関税が課されており、価格競争力に影響を与えている。このため米国との関税引き下げ交渉や、米国からの果物輸入拡大による貿易不均衡是正を提案した。
水産物輸出も17%増
ベトナム水産物加工・輸出協会(VASEP)のトー・ティ・トゥーン・ラン副事務局長は、2025年1〜7月の水産物輸出額が前年同期比17%増の62億USDとなったと発表。中国、ASEAN、日本市場の回復に加え、EUによる技術的障壁の緩和が追い風となっている。
EVFTA・CPTPP・UKVFTAなどの自由貿易協定による関税優遇が競合国に対する優位性を生んでいる。
新市場開拓と品質管理の重要性
商工省輸出入局のグエン・アイン・ソン局長は、湾岸諸国やエジプト、ハラール市場などの新規開拓を進めていると述べた。UAEは農林水産物の再輸出拠点であり、GCC加盟6か国全体への流通が可能だが、品質基準違反は域内全域での規制強化につながるため、輸出企業に品質管理の徹底を呼びかけた。
1000億ドル市場を見据える
農業・環境省のチャン・ドゥック・タン大臣代理は、2025年に農林水産物の輸出額を650億〜700億ドルとし、将来的に1000億USD規模を目指す方針を示した。EU、UAE、アフリカ、南米などの市場開拓と国内市場の活用を両立させる考えである。
米国の関税政策は不透明だが、エビやコーヒーなど代替困難な製品は依然として高い需要があるため、深加工による付加価値向上を重視する方針だ。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN