ファン・ミン・チン首相、東アジアサミットで発言
10月27日午後、マレーシア・クアラルンプールで開催された第20回東アジアサミット(EAS)において、ファン・ミン・チン首相は「ベトナムは朝鮮半島の平和と安定の実現に向けて積極的に貢献する用意がある」と述べた。
会議にはASEAN諸国の首脳に加え、中国、米国、ロシア、インド、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドの首脳が参加した。
南シナ海、ミャンマー、朝鮮半島をめぐる議論
会議では、地域と世界の情勢が複雑に変化し、大国間の戦略的競争が激化する中で、EASの「開かれた、包括的で透明な協力メカニズム」としての役割を強化すべきだとの認識で一致した。
各国首脳は、南シナ海の平和・安定・安全および航行・飛行の自由を維持することは地域と国際社会の共通利益であると強調。国際法、特に1982年国連海洋法条約(UNCLOS)に基づく平和的解決と自制を求めた。
また、会議では朝鮮半島問題について「持続的な平和のための対話を支持する」とし、関係国に緊張を高める行動を控えるよう呼びかけた。ミャンマー情勢に関しては「暴力の停止」「包括的対話」「人道支援の円滑化」などASEANの「5項目合意」の実施を改めて確認した。
ファン・ミン・チン首相の提案:「国際法と多国間主義の先頭に立つ」
ベトナム外務省によると、ファン・ミン・チン首相はEASが「国際法と多国間主義の原則を守る先導役」となるべきだと提言。
さらに、科学技術・イノベーション・デジタル・グリーン転換を中心に、新たな成長原動力を生み出す協力を強化する必要性を訴えた。
首相はまた、南シナ海の平和と安定を「地域の繁栄の基盤」と位置付け、DOC(行動宣言)の遵守と、実質的で効果的なCOC(行動規範)の早期策定を呼びかけた。
朝鮮半島・ミャンマー情勢への立場
朝鮮半島問題については、「ベトナムは平和と安定のためのプロセスに積極的に関与し、貢献する用意がある」と改めて表明。関係国に対し、対話再開と緊張緩和、国連決議の誠実な履行を求めた。
ミャンマー情勢については「暴力の停止」「包括的対話」「人道支援の促進」を呼びかけ、自由で公正、かつ包括的な選挙の実現を支援する姿勢を示した。
ASEAN・国連首脳会合:「多国間主義の再構築」
同日、マレーシアではASEAN・国連首脳会合も開催された。国連のアントニオ・グテーレス事務総長は「ASEANは世界における多国間主義の柱である」と述べ、今後の協力分野として、①平和と紛争防止、②持続可能な開発と金融構造改革、③気候変動対策、④デジタル・サイバーセキュリティを挙げた。
ファン・ミン・チン首相は、国連とASEANが連携して「予防外交」「早期警戒メカニズム」「危機管理体制」を強化すべきだと提案。加えて、AI、サイバーセキュリティ、データガバナンスなど新分野での協力拡大を訴えた。
サイバー犯罪条約の署名に謝意
最後に首相は、ハノイで行われた国連サイバー犯罪防止条約(ハノイ条約)の署名式への各国の参加に謝意を表明し、「人権を守るための国際的な枠組み形成に向けた一歩である」と強調した。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN



























