約1年前、飲酒運転取締りが厳格化し、国民の消費習慣に変化が生じたことで、ビール業界の売上高は全国で6%、主要6都市で11%も減少した。
8月14日に投資新聞が主催した特別消費税法に関するセミナーで、ニールセン・アイキュー(NIQ)の小売部門副部長のレ・ミン・チャン氏は、新型コロナの後、飲食店が活動を再開したことで2022年にビール業界は年間で2桁成長の回復を見せたと指摘する。
しかし、チャン氏によれば、翌年2023年は、飲酒運転取り締まり強化に関する議定100号の影響によって、ビール業界の消費需要が急激に減少した。「直近の過去12ヶ月での売上高の減少率は全国で6%、ハノイ、ファイフォン、ダナン、ニャチャン、カントー、ホーチミン市の主要6都市で11%も減少しました」とチャン氏は述べた。
ビール業界の売上高に関しては、ビール・アルコール飲料協会(VBA)のチュー・ティ・バン・アイン副会長からも言及された。VBAによれば、近年、業界の大手企業は軒並み売上高と利益が減少している。
「業界全体の平均利益も減少し続けており、2021年から2022年にかけては6~12%の減少だったが、昨年は10~12%の減少でした」とアイン副会長は述べた。
アイン副会長はまた、過去3年間ビール業界は困難に直面し、労働力を削減しており、業界全体の納税額も平均10%程度減少していると指摘した。
さらにレ・ミン・チャン氏は、ビール業界の売上高減少は、消費者の習慣の変化も関係していると指摘する。NIQの2024年第2四半期調査報告書によれば、ハノイとホーチミン市の消費者の50%がレストランでの外食など必要不可欠ではない支出を削減したと回答している。その代わりに消費者は自炊にシフトしている。「この変化によって、2023年1月以降多くの飲食店が売り上げを減少させています」とチャン氏は指摘する。
現在、財務省が検討中の特別消費税法修正案によれば、酒類とビールの特別消費税率は、2030年までのロードマップに沿って引き上げられる。その中で、ビールの税率は現行の65%から2030年には90%もしくは100%まで引き上げられる。NIQの長期予測データによれば、特別消費税の税率引き上げによってもビール業界の55~60%を占める低価格帯商品については価格の影響はあまり出ないが、高価格帯商品については、今後注視していく必要がある。
しかし、VBAのアイン副会長は、特別消費税の増税はビール業界の経営をさらに困難な状況にすると指摘する。いうまでもなく、増税すれば消費者がより低価格で低品質の商品に流れるリスクが高まる。
「大きな増税は正規品と非合法製品の間のメリットの差を大きくするので、密輸品が増加し、消費者の健康に多くのリスクをもたらす可能性があります」とアイン副会長は述べた。
NIQの小売データによれば、ベトナム国内のビール市場には現在181社のメーカーが参入している。ただし、売上と製造量の90%以上は外資系企業を含む大手4社が占めている。
近年、売上と利益が減少しているにもかかわらずNIQは、人口構成の黄金期、消費習慣、競争力のある商品価格によって、ベトナムは依然としてビール業界にとって潜在的な市場であると考えている。現在、現在、ビールは、ベトナムの8つのインスタント消費財の中で最大の割合を占めている。この比率は21%以上あり、ミルク、必須食品、菓子類などよりも高くなっている。
出典:2024/08/15 VNEXPRESS提供
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