妊娠28週目を迎えた28歳の妊婦は、COVID-19による肺炎が重症化したことで緊急の帝王切開手術を受け、その後危篤状態に陥ったためECMOの装着を余儀なくされた。
8月26日の夜、175軍事病院COVID-19治療センターの救急救命治療部隊は、チュンブーン病院での妊婦への対外式膜型人工肺(ECMO)の装着に成功した。
175軍事病院のグエン・カン・チュン医師によると、患者は妊娠28週目でCOVID-19に感染したとのことだ。胎内の赤ちゃんを救うために緊急の帝王切開手術が必要で、赤ちゃんは早産のために未熟児治療を受ける必要があった。母親の方はCOVID-19治療専門のチュンブーン病院に入院した。
帝王切開手術から8日後に、母親の肺炎が重症化し、肺の機能が最低限の呼吸機能を果たせなくなった。患者の症状は重く、死亡のリスクが非常に高まっていた。
175軍事病院、チョーライ病院、チュンブーン病院の医師たちが相談の上で、患者にECMOを装着して転院させることを決めた。しかし、チュンブーン病院にはまだ、ECMO装着のノウハウが無く、ECMOを未装着の状態で175軍事病院に転送するとなると生命に係る危険性があった。
そこで、軍事病院のスタッフはECMO装置をチュンブーン病院まで運び、チュンブーン病院で患者にECMOを装着してから軍事病院へ搬送することを決めた。ECMOを装着後、患者の血中酸素飽和度は98~100%まで上昇し、血圧、脈拍なども良好な数値が得られたので、無事に軍事病院まで搬送することが出来た。
チュン医師によると、これまでに175軍事病院では7人のCOVID-19患者にECMOを装着したことがあり、そのうち6人が妊婦だった。このうち2名は症状が改善し退院準備中、2人がECMO離脱訓練中で、残り3人がECMOを装着中となっている。
175軍事病院では、以前にECMOが2台しかないのに3名のECMO装着が必要な患者がいた際に1台のECMOを2人の重症患者に装着するという離れ業を成功させている
8月27日までにホーチミン市では、19万4596人の感染者が確認されており、このうち海外からの入国者が437人となっている。現在3万7993人の患者が市内の各病院で治療を受けており、このうち2697人が人工呼吸器が必要な重症患者で、20人がECMOを装着している。
出典:27/08/2021 VNEXPRESS
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