ホーチミン市ニャーベー県の新規感染者のほぼ全てが工業団地に関連しており、ビンチャン県でも、工業団地が活動を再開させたことで、ヴィンロックA、ファンバンハイ、レミンスアンといった地域で新規感染者が増えている。
11月7日、ホーチミン市保健局のグエン・ホアイ・ナム副局長は、ニャーベー県の感染防止対策を視察した。10月上旬から現在までにこの地域では2500人以上の新規感染者が確認されており、そのうち1700人以上がPCR検査、800人以上が簡易抗原検査で感染が確認された。
新規感染者の殆どが、ヒエップフック工業団地とロンハウ工業団地で働く労働者で、ニャーベー県内に居住している。
現在、770人のF0が自宅療養を続けており、そのうち395人は家庭内感染で、19人が市中感染とみられている。ニャーベー県保健局は、F0に対して、症状に応じてA、B、Cの3種類の医薬品パッケージを配布している。なお、医薬品パッケージCについては、既に備蓄分の100%が配布されている。ニャーベー県内には現在、軍の医療部隊の支援による7つの移動式医療ステーションが存在し、F0の治療と管理にあたっている。但し11月末までには、軍の医療部隊はニャーベー県でのサポート活動を終了させる予定だ。
ナム副局長は、ニャーベー県周辺には多くの工業団地があり、港もあり、人口変動が大きいため感染リスクが高くなるとの見方を示した。ニャーベー県で起きていることは、特殊な事例ではなく他の工業団地をかかえる区や県でも同様のリスクがある。労働者が集まって居住している宿泊エリアは感染源となるリスクが高く、工業団地と住宅エリアでの厳格な感染防止対策が必要不可欠である。
「自治体は、警戒レベルを引き上げ、感染源となるリスクが高い地域を定期的にチェックして厳格に管理し、ワクチン接種を進めるためにまだ1度もワクチンを接種していない市民の洗い出しをおこなう必要があります。」とナム副局長は指摘する。またニャーベー県に対して、軍の医療部隊が撤退した後でも新規感染者に対応できるだけの移動式医療ステーションの稼働を確保できるように人員配置計画を立案しておくように指示した。
ニャーベー県全体で過去4週間に最も新規感染者が多く確認されているヒエップフック村の自宅療養地域を視察した後で、ナム副局長は、自宅療養患者への医薬品パッケージの供給は適切に実施されており、感染者も感染防止対策の規定を厳格に遵守していると評価した。
ホーチミン市COVID-19統計サイトによると、ニャーベー県は感染レベル3(オレンジゾーン:感染リスク高)と評価されている。県内の4つの地域がオレンジゾーンで、2つがイエローゾーンとなっており、フックキエン地域のみがレッドゾーンと評価されている。
ホーチミン市のもう一つの郊外地域であるビンチャン県について、ホーチミン市保健局は、11月7日に視察を実施し県内の感染防止対策方針の変更を助言した。10月上旬から現在までにビンチャン県全体で、簡易抗原検査とPCR検査によって6200人以上の感染者が確認されている。そのうち、最も感染者が多いのはヴィンロックA、ファンバンハイ、レミンスアンの3つの地域で、この地域での工業団地が活動を再開したことが原因と考えられている。ほとんどのF0は労働者用の集合住宅地域に集中している。
現在、3500人以上のF0が自宅療養しており、A、B、Cの医薬品パッケージが適切に配布されている。ビンチャン県内では、8つの移動式医療ステーションが軍の医療部隊の支援によって活動している。ビンチャン県では、既に18歳以上の100%が1回目のワクチン接種を完了しており、93.7%が2回目のワクチン接種を完了している。
ホーチミン市保健局では、ビンチャン区の感染状況は制御されているが過信は禁物だと警告している。保健局はビンチャン県に対して、異常な兆候を素早く確認して迅速に対応するため、地域内の感染状況を注意深く監視し、F0の管理と治療を積極的に実施するように求めている。
ホーチミン市COVID-19統計サイトによると、ビンチャン県は感染レベル2(イエロー損、感染リスク中)と評価されており、県内の7つの地域がイエローゾーンで、9つの地域がグリーンゾーンとなっている。
ホーチミン市保健局は、ホーチミン市が社会隔離措置を緩和し、多くの労働者が他省からホーチミン市へ戻ってきたため、F0の発見と管理が極めて重要な問題になっていると指摘する。ホーチミン市のワクチン接種率は非常に高いが、他省から労働者が戻ってくることで感染拡大の潜在的なリスクは増大している。5Kルールを遵守せずに人と人の接触が増えれば、新規感染者が今後もさらに増加する可能性が高くなる。
11月7日の午後に保健省は、ホーチミン市の新規感染者数が1009人であったと発表した。ここ数日でホーチミン市の新規感染者数は微増傾向にある。1週間前のホーチミン市の新規感染者数は1000人を超えることはなかった。ホーチミン市では感染状況を抑制し治療ををおこなうために緊急医療対策チームを立ち上げ、各地域の医療センターと担当病院の医師を動員して40の移動式医療ステーションを稼働させることを決めた。
出典:08/11/2021 VNEXPRESS
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