9月28日の朝、ビンズン省に住む37歳の女性にCOVID-19の検査を受けるように何度も呼びかけたが応じる気配が無かったので、警察はドアを破って強制的に部屋から連れ出し検査を実施した。
これは、ビンズン省トゥアンアン市ビンフー街区のマンションで発生した事件で、警察官がカメラで撮影していたものがSNSに投稿されたことで発覚した。この3分の動画には、警察がドアのカギを壊して中に押し入り、1人の女性をマンションの外に連れ出し、腕を抑えてサンプルを採取する様子が撮影されており、恐怖に叫ぶ子供の声も入っていた。このビデオは、この女性が仕事中だとして検査に応じることを拒否したことからはじまったとされている。
この地域のCOVID-19感染防止管理委員会のボー・タイン・クアン委員長は、この日の朝、女性の住むマンションで2人の陽性が確認されたので、管理委員会としてはこの女性に何度も検査を受けるように説得したが受け入れられなかったと説明する。
この時、ちょど付近を視察していた地元の警察官、医療スタッフおよび地域管理スタッフから構成されるCOVID-19感染防止パトロール部隊が現場に呼ばれた。しかし、15分以上説得を続けてもこの女性は、ドアに鍵をかけて検査に応じることを拒否し続けた。
クアン委員長によると、このマンションで以前に2回実施した検査でもこの女性は検査を拒否した。マンションの住民の健康を守ることと感染防止対策の観点から、警察はドアを破壊して突入することを決めたとのことだ。
この女性の検査結果が陰性だったことが判明した後で、ビンフー街区人民委員会は、この女性に対してCOVID-19感染防止規定に違反したとして、行政処分の記録を作成した。
9月28日の夜にこの検査を強制された女性(ホアン・フーン・ランさん)を取材したところ、警察が家に突入してくる前に、彼女は検査チームに対して自分たち家族は長期間外出しておらず、自己検査も行っていると伝えたそうだ。ランさんの家族は、外部の人と一切接触していなかったので、検査のためでも公共の場所に出ていきたくなかったとのことだ。
ランさんは、検査チームによるこのマンションの簡易検査で今朝2人の陽性者が確認されたという説明は聞こえなかったと話す。「家のドアを壊して突入する必要はなかったと思います。数日前にも検査チームが私の家に来て、中に入って検査サンプルを採取していきましたから。」とランさんは説明し、検査チームがドアの外で説明をしていた時、ランさんはオンラインでヨガを教えており、スピーカーの音で外の音がよく聞こえなかったと話す。
トゥアンアン市では、警察がマンションのドアを壊して家に突入して検査サンプルを強制採取することが法的に適切かどうかを含め、現在詳細を調査中だとしている。
ビンズン省はこれまでに、20万6564人がCOVID-19に感染し、1938人が死亡している。一方で、ビンズン省全体では、こまでに17万9153人がCOVID-19感染から回復している。しかし、トゥアンアン、ジーアン、タンウエンなど一部の地域では感染状況は依然複雑で、ビンズン省では、9月30日以降に省全体がニューノーマル状態に移行できるようにするため、これらの地域での大規模検査を実施している。
出典:28/09/2021 VNEXPRESS
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