ベトナムビジネスならLAI VIENにお任せください!入国許可、労働許可証、法人設立、現地調査、工業団地紹介などあらゆる業務に対応します!お気軽にご相談ください!

【社会】多くの感染制御基準がいまだにゼロコロナに偏重との指摘

各種業界団体は、”COVID-19への安全適応”という政府のガイドライン草案は、ウイズコロナの方向性を示しておらず、経済に多大な影響を与える可能性があると指摘する。

これは、9月25日に8つの業界団体がファン・ミン・チン首相と関係省庁に送付した意見書の中で”COVID-19への安全適応”というガイドライン草案についての見解として記載されている内容だ。

今回、意見書を送付したのは、安全食品協会、ホーチミン市食料品協会、ベトナム高品質製品協会、ベトナム縫製協会、ホーチミン市美術・木工品協会、ベトナム水産加工協会、ベトナムプラスチック協会および、ベトナム日本商工会議所の8つの業界団体だ。

現在、ベトナム保健省が検討しているガイドライン草案では、COVID-19に対する安全性について3つの指標が定められている。またガイドライン草案では、地域をレベル1(低リスク・ニューノーマル)グリーンゾーン、レベル2(中リスク)イエローゾーン、レベル3(高リスク)オレンジゾーン、レベル4(超高リスク)レッドゾーンの4レベルに分け、それぞれのレベルに応じて異なる対応策が取られるとされている。

各業界団体は、今回のガイドライン草案では、全国の地域ごとの感染状況の違いが考慮されておらず、柔軟性に欠けていると指摘する。この草案の多くの規定は”ゼロコロナ”という目標に向けたもので”ウイズコロナ”という方向性とは全く異なる。感染地域に対する評価指標は非常に厳しく、十分なワクチン接種にもかかわらず多くの検査が要求されている。

今回の草案では、50歳以上人口の80%以上がワクチンを2回接種すると規定されている。しかし、各業界団体は、現在のホーチミン市の感染状況で、感染リスク評価にこの規定を適用すれば、ホーチミン市はレベル4グループに属することになると指摘する。また、その後も長期間(2~3ヶ月)は、経済活動の再開が進まなくなる可能性が高いとしている。

更に、今回の草案では”ゼロコロナ”主義による多くの規定が含まれており、経済に多大な影響を与えかねないとしている。例えば、F0とF1の集中隔離に関する規定では。F0の自宅治療が認められるのはレベル3とレベル4の地域だけだ。また、レベル4の地域はショッピングセンター、旅行施設、リゾート施設の活動が停止されることになっている。

各業界団体は、この様な規定は、規制緩和への移行期間中のみ適用すべきだとしている。ウイズコロナの段階に入れば、ワクチンを十分に摂取したにもかかわらず、依然としてF0、F1の集中隔離や追跡調査に関する規定が残されているのは、コストの無駄遣いで、医療システムにも多大な負荷を与えることになるとしている。

「ニューノーマルに移行した後では、F0の集中隔離にこだわる必要はなく、医療機関は、F0患者に自宅治療の方法を具体的に説明し、社会全体にCOVIDグリーンカードを適用すべきです。」と8つの業界団体のリーダーたちは述べている。

各業界団体は、ワクチン接種の観点から充分な量のワクチンを接種した又は、F0から回復した人に対して、経済活動の制限と公共交通機関の利用制限を実施する必要はないと強調する。そして、ワクチン接種が完了した市民の通勤を認め、病床とICUの使用率に応じて適切な感染制御対策を講じるべきであるとしている。

一方で、感染は抑制できているがワクチン接種が十分に完了していない地域に対して、レベル1(ニューノーマル)の指標がすぐに適用されれば、感染対策が崩壊する可能性があるとも指摘する。

現在、ベトナム国内では、ハノイを含めた38の省と市が感染を制御できており、首相指示16号がそもそも適用されていないか、適用が解除されている。今回の草案にある、これらの地域でワクチン接種率が低いにもかかわらず7日間平均で10万人あたりの新規感染者数20件未満であれば低リスク地域に指定するという規定は、感染対策として適切ではなく、ホーチミン市のように感染対策が崩壊するリスクが非常に高くなるとみられている。

各企業の代表者たちによると、7日間平均で10万人当たりの新規感染者数が20件というしきい値で計算するとハノイ市の1日の新規感染者数は230人ということになる。感染第4波でハノイ市の実際の1日の新規感染者数は50~70人程度であったが、感染を抑制するために首相指示16号による都市封鎖を2ヶ月近く続けてようやく一日あたりの感染者数が20名以下に収まってきた。この事実から考えれば、ハノイ市が一日あたりの感染者数が230人を超えてから都市封鎖に取り組んでも、ホーチミン市のように感染爆発が起きる可能性が高い。

そのため、現在感染が抑制できている省と市に対しては、感染対策をすぐに変更するのではなく、3~5か月の移行期間を設けて独自の戦略を適用する必要がある。移行期間中、各自治体は、市民が充分なワクチン接種を完了してウイズコロナとして全てのドアを開けるようになるまでは、感染者ごとにピンポイントで感染対策を実施し、大規模な封鎖などは行わないようにする必要がある。

「ウイズコロナ」に適応していくために、各業界団体は、首相に対して感染拡大防止と経済活動回復に関する戦略を柔軟に適用するよう求めている。

現在から2022年第1四半期までの移行期間における提案内容は下記の通りとなっている。

ワクチン接種が早期に完了した地域は、早期に解放される。ウイズコロナとして活動を再開させるために、地域を感染状況に応じて2つのゾーンに分けて適切な管理方法を実施する。

ゾーン1は、感染拡大地域で首相指示16号が適用される。感染レベル、病床使用率、ワクチン接種率など感染抑制状況に応じて、適切なレベルでの社会隔離措置が適用されるように調整する必要がある。

病床使用率が75%を超えた場合は、死亡率を低下させるために感染対策を強化させる必要がある。もし病床使用率が90%を超えた場合は、感染対策がさらに強化される。

充分な量のワクチンを接種済みか、F0から回復した患者の移動制限は解除する。経済活動に対する様々な規制も解除し、F0患者の自宅治療を許可する。ワクチンを2回接種したかF0から回復した患者の通勤を許可する。

医療業界は、各段階ごとでの企業のF0への対応について、ガイドラインを設定する。F0が発生したとしても企業の事業活動を停止させない。レベル4の地域からより低いレベルの地域へ移動する場合は、検査の陰性証明書を所持している必要がある。

ゾーン2は、感染が緩やかに拡大しているか感染が確認されていない地域で、ワクチン接種が完了するまでの移行期間に3~5か月が必要な地域だ。この地域では、感染対策はピンポイントで行い、大規模な封鎖は実施しない。

7日間連続で1日の10万人あたりの感染者数が0.7ポイントを超えた場合、警戒レベルは上げる必要があるが、大規模な封鎖は実施しない。充分なワクチン接種が完了した地域では、社会隔離措置を撤廃しニューノーマルに移行する。

ウイズコロナには2022年の第1四半期半ばから入ることが予想されるが、ワクチン接種が予想より早く進めば、より早い時期になる可能性もある。

ウイズコロナ社会は、18歳以上の人口の70%以上かつ、50歳以上の人口の80%以上がワクチン接種を完了した後に実施され、各地域と国全体の活動を開放する。

また、企業の事業活動、公共交通機関の移動は、全ての感染レベルで再開可能だが、感染状況によって社会的距離を適用する。

さらに人や車両の地域間の移動制限を完全に廃止する。F1の隔離を廃止し、別の地域からの移動者の隔離も無くす。大規模検査を廃止し、F0の自宅治療を許可する。子供のワクチン接種と大人のワクチン追加接種も実施する。

出典:26/09/2021 VNEXPRESS
上記を参考に記事を翻訳・編集・制作