パン、ブン、豆腐などは、ホーチミン市の労働者たちにとって非常に馴染みのある食品だ。しかし、ホーチミン市の感染拡大によってこれらの商品を製造している小規模事業主は、閉鎖を余儀なくされ、市民も購入することが難しい状況が続いていた。
これらの諸規模生産施設は、社会隔離措置が終了するまで生産活動の再開は出来ないと思われたが、昨日のホーチミン市人民委員会の発表によって、感染防止対策を徹底する必要はあるものの、活動再開に向けた希望の光が灯った。
一方で、ホーチミン市で医療用防護服のジッパーを製造しているある企業は、製品の重要性を説明したにもかかわらず、所在地域の自治体幹部から生活必需品ではないという理由で製造活動を停止するように求められた。
この要請に対して、企業側は理不尽な生産活動停止要求であるとして、上部機関へ反論をおこなった。感染拡大との戦いは依然として困難な状況にあり、医療用防護服は、他の生活必需品と比べても緊急性の高い必需品であり、ジッパーが無いという理由で製造を停止させることは間違っていると指摘したのだ。
その後、この地域の自治体のトップは、担当者が製造停止の要請基準を充分に理解できておらず、企業が一時製造を停止しなければならない事態に陥ってしまったことを認めた。間違いは訂正される必要があり、自治体は、企業に対してジッパーの製造活動再開に関するオンライン登録手続きについて、丁寧に説明した。
またトゥードゥック市では、あるパン屋が、感染防止対策として製造活動の一時停止を指示された。
このパン屋は、この地域にはボランティア活動をしている人が非常に多く、ホームレスや病院の入院患者、感染防止作業に従事する人々にパンを提供する必要があると主張した。このオーナーの意見がホーチミン市人民委員会に届いたあと、トゥードック市は、このオーナーを招聘して、安全に製造活動を再開させる方法についてレクチャーをおこなった。
この様な状況下で、必需品である医療用マスクや防護服を製造している企業も製造活動を維持するのが難しくなっている。
必需品を製造している殆どの企業は、”3つの現場対策”の実施だったり、社内でのF0確認のために、通常時の30%以下の従業員数で製造活動を維持し続けなければならない。これらの企業は、製造能力と調達能力の低下に加え、製品の流通や従業員の通勤にも多くの問題を抱えている。
必需品の製造企業が現在の緊急事態の中で事業活動を維持するためには、”3つの現場対策”という方針を変更する必要がある。この方針を全ての企業に求めることは無理があり、特に企業ごとの製造活動維持に必要な人数の基準を無視することには問題がある。
工場内でF0が確認された場合の対応プロセスも、必需品製造企業の活動が長期に停滞することが無いように、迅速な処理を優先させる必要がある。
さらに各行政機関は、必需品の基準についてより広い視野で見る必要がある。ベトナム縫製教会の会長は、必需品とは単に一着の服を指すのではなく、そこにはジッパー、ボタン、針、糸などがあって初めて完成品になるのであり、これらの製品を必需品ではないとして停止させてはならないと指摘する。
医療器具や食品といった必需品の生産停止は、感染防止対策にも大きな影響を及ぼす。そのため、問題が発生した場合は速やかに解決し、感染防止対策の中で苦しんでいる企業に対して、活動停止や物流停止などについての不安を与えないようにする必要がある。
出典:15/08/2021 BAO TUOI TRE
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