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ベトナムニュース【観光】外国人観光客受入れ目標はなぜ失敗したのか?

(C) VNEXPRESS

外国人旅行者受け入れのための新たなビザ政策が無く、注目すべき観光スポットが少なく、受け入れ準備不足だったことが年間500万人の外国人観光客受け入れ目標が失敗した理由だと専門家は指摘する。

ベトナムはCOVID-19ワクチンプログラムの成功によって早期(3月15日)に海外旅行への門戸を開いた国の一つだ。しかしベトナムはこのメリットを活かせず2022年1月から11月までの外国人旅行者数は270万人しかなく、今年末時点でも350万人程度にとどまり、年初に立てた目標の500万人を下回る見込みだ。一方でほかの東南アジアの国々は目標を達成したり、目標値を上回る成果を上げている。その結果、ベトナムは東南アジアで外国人旅行者数の回復が遅いグループに属することになった。

専門家は、ベトナムが目標を達成できなかった主な理由として、現実に合わせたビザ政策の変更が行われていないこと、観光資源の質が不足していること、そしてコロナ後の受け入れ態勢の準備が不足していたことの3点を挙げている。

ビザ免除が拡大されていない

ビザの免除対象国が少なく期間も短いなど外国人観光客向けのビザ手続きの不便さが、周辺地域と比較してベトナムへの外国人旅行者が少ない主な理由の1つと考えられている。

ベトナムが外国人観光客に門戸を開いた直後の3月にLux Groupは、ハロン湾ツアーに最初の旅行者を迎えた。「彼らのビザ免除は15日間滞在で入国は1回のみです。一方で彼らのツアー行程は最初にハロン湾を訪問してからカンボジアに行き、その後ベトナムに戻ってブンタウビーチに滞在するというものでした。そのため、彼らは2回ビザを申請する必要があり、手続きは複雑でツアー自体が失敗に終わる可能性もありました。」とLux Groupのファン・ハー会長は話す。

観光旅行諮問委員会(TAB)のクリス・ファーウェル氏は、一部の旅行者はビザの申請に保証会社を要求されることに不満を訴えていると述べた。ビザの費用は25USDだが、代理店を通じて申請すると200~500USDも費用が掛かる。また、多くの国からは電子ビザの申請が出来ず、ビザの申請に30日以上かかり最大800USDもの支払いが必要となる。

現在、ベトナムは 25 の国と地域のビザを免除しており、期間は殆どが15日間で、一部の東南アジアの国は30日間となっている。一方でタイは、65ヶ国に対して90日間のビザ免除を適用している。また、東南アジアの多くの国が最長20年間滞在可能ないわゆる”ゴールデンビザ”プログラムを開始しており、多くの外国人を引き寄せている。

ホーチミン市観光局の旅客管理室の元副室長だったグエン・ドゥック・チー氏は、一例としてタイを挙げた。タイでは8月までの外国人観光客数が約370万人と目標の1/3にしか達していなかった。その後、タイは観光スポーツ省と観光総局の協力を得て、延長可能な45日のビザ免除政策をすぐに適用した。

「ベトナムはタイと競う必要があります。タイが多くの国にビザ免除を適用しているのであればベトナムも同様にすべきです。」とチャン・ディン・ティエン准教授は話す。ベトナムには他国にも負けない美しい観光スポットがある。もし、ビザ政策を緩和すれば、ベトナムの外国人観光客はさらに増えるだろう。

(C) VNEXPRESS

観光客の受け入れ準備が不足

もう一つの原因は、新型コロナから2年が経ち、旅行業界の人材と財源が不足しており、施設が劣化しているなどの理由による外国人旅行者の受け入れ準備不足がある。

「ホテル、レストラン、交通機関などの観光サービスインフラの90%以上が、ほぼゼロからの再スタートとなるため人材、資本、設備の準備に時間がかかっています。」とグエン・ドゥック・チー氏は話す。国内旅行の早期回復は旅行業界の回復を後押ししたが、外国人旅行者向けのサービスは別の問題であり、外国人観光旅行業界が復活するには多くの旅行者の受け入れが必要だ。

航空経済学を専門とするルーン・ホアイ・ナム博士も、ベトナムの国内旅行者は目標の6000万人を遥かに超える1億人を突破しており、力強い成長を遂げているとする一方で、外国人旅行者数は思った以上に伸びていないと指摘する。国内旅行が力強く回復しているのは、障害や競争が少ないからだ。一方で、海外旅行は、障害と競争の両面で未だに解決できていない問題を抱えている。

観光業界の誘致活動はバラバラで、他の産業との調整がとれていない。「観光業界の問題を解決するための体制と政策について多くの問題点が議論されてきましたが、外務省、公安省、財務省などの関係者は参加していません。500万人の外国人旅行者受け入れ目標は確実な根拠に基づいて立案されておらず、戦略性と行動に欠けている。ベトナムの旅行業界は依然として主体性と柔軟性が欠けており、関係業種との緊密な連携を取れていません。」とチー氏は話す。

ベトナムは3月15日から観光旅行を再開したが、市場はまだ回復途上の段階にある。新型コロナ前に海外旅行者の約半数を占めていた中国、日本、台湾、ロシアなどは、第3四半期に至っても完全には海外旅行を開放していない。将来的な新たな市場として期待されるインドも始まったばかりでベトナムの観光旅行にはまだ慎重に検討すべき制限が多く残されている。

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観光プロモーションが弱い

旅行者の行動はコロナ前から変化しているため、旅行関連のマーケティング、プロモーション、観光商品の開発などは、新たに再設計する必要がある。

「現在、外国人旅行者は、健康が保証された形で少人数のグループによる自然体験を求めています。MICEの団体は、整備されたインフラと高い質のサービスを求めています。外国人旅行者を受け入れる旅行会社は、依然と同様の集客方法では通用しません。私たちは一旦コロナ前の経験を白紙に戻して考え直す必要があります。」とハー氏は述べた。

旅行会社を経営するグエン・ゴック・ビック氏は、ベトナムにはユニークな観光スポットが少ないという見解を示す。現在、ベトナムの観光業界はホテルの建設に注力しており、ユニークな観光スポットの建設に積極的ではない。ホーチミン市やハノイ市などの大都市では旅行者を引き付けるような魅力的な観光商品が少ない。旅行者はハノイやホーチミン市を訪れることを好むが、多くの場合が既存の観光スポットを見学するだけで終わっている。

更に新しいトレンドに合わせて世界の友人たちへ発するメッセージを変更する時期でもある。「ベトナムはより新鮮なメッセージで潜在的な市場を開発する必要があります。例えば、以前のスローガンである”ベトナム-無限の美しさ”から”ベトナムであらゆる体験をしよう”などに変更することも必要でしょう。」とベトナム観光ビジネスフォーラムのチャン・レ・バオ・チャウ会長は話す。

現在は、海外観光旅行シーズンのピークにあり、国内旅行市場は力強く回復している。多くの旅行業の専門家は、目標数字にとらわれ過ぎる必要はないが、来年の計画を立案するために達成できなかった原因を究明し、2023年に向けて観光業界が力強く回復するための支援策を政府に提言する必要があると指摘する。

TABの担当者は、ベトナムの旅行業界にとって最も重要なことは、潜在的な市場であるヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランド、カナダなどへのビザ免除適用の拡大であり、滞在期間を45日に延長し、電子ビザの発行を拡大させることだと指摘する。

「単に目標数字を達成することに固執するのではなく、どうすれば旅行者がよりお金を使い、より長く滞在し、旅行を楽しむことでリピートしたり、友人や家族に勧めたいと思うようになるかを検討する必要があります。2023年、観光業界はビザ規定の緩和、外国人旅行者向けの広告宣伝、ベトナムのイメージアップとなる観光名所の適切な管理など外国人旅行者を引き付けるための多くの戦略を提案する必要があるでしょう。」とファン・ハー会長は付け加えた。

出典:20/12/2022 VNEXPRESS
上記を参考に記事を翻訳・編集・制作