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マーケッターの 独り言 Vol.82|進化と競争が交錯する2025年ベトナム小売最前線

ASIA PLUS代表の黒川 賢吾氏

 2025年3月に当社が実施した調査において、ベトナムの小売市場がこれまで以上に活発に動いていることが明らかになりました。経済成長や都市化を背景に、コーヒーチェーン、薬局、化粧品チェーンといったモダントレード業態が都市部を中心に拡大しています。

 中でも注目されるのが、競争と再編が同時に進むコーヒー市場と、生活者のニーズに応じて進化するビューティー・ヘルスケア分野です。

 全国で約5000店舗に達するコーヒーチェーンは、ベトナムの都市生活に欠かせない存在となっています。Highlands Coffeeは770店舗(2024年:以下同)から855店舗(2025年:以下同)へと着実に拡大し、Phuc Longも158店舗から237店舗へと大幅に増加しています。

 一方で、The Coffee Houseのように出店戦略を見直し、大幅に店舗を減らすブランドもあります。同ブランドは2024年の141店舗から2025年には93店舗まで縮小しており、地場外食チェーン最大手のGolden Gate Groupによる買収も今後の再編のきっかけと見られています。

 薬局・化粧品店の分野では、Long Chauが1614店舗(2024年:以下同)から1977店舗(2025年:以下同)へと急拡大し、Pharmacityも899店舗から938店舗へと着実に店舗網を広げています。

 化粧品店市場でも、Hasakiが172店舗から252店舗、Guardianも104店舗から125店舗へと順調に拡大しています。その一方で、The Face Shopのようなブランド専門店は32店舗から28店舗へと減少しており、多ブランドを扱うチェーンの台頭が目立ちます。

 拡大と淘汰が同時に進む現在のベトナム市場では、柔軟な戦略と生活者視点の対応力が、成長のカギを握っています。

著者紹介:黒川 賢吾 Kengo Kurokawa
Asia Plus創業者兼代表取締役。NTT、ソニー、ユニクロを経てベトナムで起業。ベトナム最大級のオンラインリサーチパネルを利用して年間200以上の調査をこなすリサーチのプロ。

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