近年、多くのTikTokerが「性教育」や「児童虐待防止」をうたった動画を制作している。しかし、その一部は教育目的から逸脱し、低俗な娯楽として拡散され、子どもの認識を歪める危険があると指摘されている。
子どもへの虐待件数は深刻化
旧労働・傷病兵・社会問題省の報告によれば、2020年から2023年9月までに全国で7,883件の児童虐待が発生しており、そのうち性的虐待は80%以上を占めた。被害者には6歳未満の子どもも含まれている。
また、2024年だけでもベトナム小児中央病院で66人の児童が虐待の被害を受け、そのうち28.8%が性的虐待であった。
学校現場での工夫と成果
こうした状況を受け、幼稚園や小学校では早期から「体に触れてはいけない場所を学ぶ」といった教育が行われてきた。教師たちは歌や振り付けを取り入れた分かりやすい指導を行い、子どもたちが自らを守る力を養う効果を上げている。
TikTokerによる悪用と影響
しかし一部のTikTokerは、これらの教育的手法を真似て、卑猥な表現や冗談交じりの演出に変え、動画を拡散している。本来の学びが「娯楽」として消費されることで、子どもは「性暴力は怖くないもの」と誤解する危険がある。
専門家は「このような歪んだ情報は、子どもの警戒心を弱め、将来的に被害を受けやすくする可能性がある」と警鐘を鳴らしている。
心理的被害のリスク
また、まじめな教育内容が揶揄されることで、子どもが羞恥心や恐怖心を抱き、感情面での健全な発達を阻害する恐れもある。
保護者・教育者・社会の役割
記事では、保護者に対し「一緒に動画を視聴し、良い情報と悪い情報を区別する力を養わせること」が求められている。また、教育者も授業にネットリテラシーを組み込み、子どもが不適切な情報を見極められるようにする必要がある。
プラットフォームと当局への要請
最後に、専門家は「TikTokをはじめとするSNSプラットフォームは、より厳しいコミュニティ規範を整備し、違反動画を自動検出・削除すべきだ」と強調。加えて、政府機関による規制強化も求められている。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN