前例ないほど課題の多い任期に挑む政府
10月13日、第1回ベトナム政府党大会(2025~2030年任期)が開幕し、トー・ラム書記長が出席して指導発言を行った。
ファン・ミン・チン首相は開会演説で、今期を「前例がなく、予測を超える課題の多い任期」と表現した。
政府党委員会の政治報告を発表したグエン・ホア・ビン常務副首相は、2020~2025年任期において26項目中24項目の目標をほぼ達成し、とくに社会分野の全目標を完遂したと報告した。
経済の難局に直面するなかで、政府は思考の刷新と分権強化を進め、制度整備と行政改革を加速させた。法律・制度に関する法案や決議の制定数は過去最多であり、経済のボトルネック解消に向けた取り組みが進められている。
インフラ整備と社会発展で前進
インフラ投資の加速により、発展の空間が広がりつつある。2025年末までに、高速道路3,200kmと沿岸道路1,700kmの整備を基本的に完了し、ロンタイン国際空港の主要施設も完成を見込む。
ビン副首相はまた、文化・人材・社会福祉の面でも顕著な進展があり、国民生活の改善が続いていると強調した。一方で、労働生産性の低さや人材の質の不足、都市部の交通渋滞や大気汚染などの課題も指摘された。
「世界30大経済国」へ向け加速
こうした状況を踏まえ、政府は2030年までに「現代的工業国」「中上位所得国」となり、GDP規模で世界30位以内、ASEANでは第3位を目指す方針を掲げた。
ファン・ミン・チン首相は「今後の時代はチャンスよりも課題が多い。政府と党は団結と模範を保ち、科学技術・イノベーション・デジタル転換で先導し、あらゆる資源を動員して飛躍すべきだ」と述べた。
行政改革と民間経済の促進
財務省のグエン・バン・タイン大臣は、行政手続きの大幅な削減とデジタル化推進により、投資・ビジネス環境を一層整備すると説明した。
また、民間経済の発展を促すことで、2030年までに稼働中の企業数を200万社に増やし、国営企業50社をASEAN上位500社に、さらに1~3社を世界上位500社に入れる目標を示した。
科学技術を成長の基盤に
科学技術省のグエン・マイン・フン大臣は、「科学技術とイノベーション、デジタル転換を経済成長の基盤とする」と強調した。
過去5年間で科学技術分野の国際評価が大きく向上したことを踏まえ、次の5年間はその成果を経済成長へ転換する段階に入ると述べた。
同氏は、政府が戦略的製品の市場化を後押しする調達政策や、企業の技術革新を支援する国家補助券制度など、より大胆な政策支援を行うべきだと提言した。
教育改革で「新しいベトナム人」を育成
教育訓練省のグエン・キム・ソン大臣は、「主要国はすでに教育・科学・人材育成の戦略を刷新している。ベトナムも持続的発展と『二つの100年目標』の実現には、新しい世代のグローバル人材が必要だ」と強調し、法制度の整備と資源配分を通じて、教育改革と人材育成を推進する必要性を訴えた。
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