都市別で自動車の嗜好の違いがあることはご存知であろうか? 今回は、弊社の自動車オーナーパネル、全国約8000サンプルから、都市別の嗜好の違いを分析した(2018年5月)。
ベトナムの2014年中間国勢調査によると、自動車保有率はハノイが6.3%で第1位。自動車オーナーの属性を分析すると、その特徴が際立っている。基本、ベトナムでの自動車オーナーはお金持ち。つまり、SEC(社会階層)のA以上の人々なのだが、ハノイではB層でも自動車保有者がいる。B層に売れ筋なのはエントリーモデルのハッチバックであり、同じハッチバックでもデザインにこだわるなど見栄の張り合いが見え隠れする。見栄っ張りのハノイ人にはハッチバックがカギとなるか?
自動車保有率で3番手となるのが、ハロン市がある北部クアンニン省で5.7%。自動車オーナーの平均年齢を分析するとここが1番若い。そして、Fun to Driveの意識が強いオーナーが多い地域であり、一昔前に湘南地域で走りまくってたオラオラ系か? だから、オレンジ色で目立つアメ車が売れてしまうのも納得。
大都市ホーチミン市の自動車保有率は意外に低く、4.4%で9位。売れている車種はMPVやSUVで、つまり大型車が人気。しかも2世帯、3世帯での家族旅行で活用しやすい3列シートの車がメインだ。自動車オーナーの平均年齢では他の都市と比べて一番高く、「家族のための安全・安心」がキーワードかも。
また、ホーチミン市で自動車オーナーの住んでいる地域は、近年日本人にも人気のビンタン区が一番多く、最近ではトゥドゥック区のような、中心部から離れた新興住宅地域でも増加している。