ホーチミン市1区レライ通りのレストランを調査したホーチミン市幹部は、この店がホーチミン市のカラオケ店に対する営業停止命令に反して外国人を含む多くの客を受け入れていたことを確認したと発表した。
「この店はレライ通りで堂々とカラオケを営業し、調査チームが到着した際にも客引きをおこなっていた。これは、人民委員会の決定をないがしろにする非常に無礼な行為だ」とホーチミン市人民委員会のズーン・アイン・ドゥック副主席は怒りをあらわにした。
今回の調査は、ホーチミン市が4月29日にCOVID-19 の感染者を確認してからズーン・アイン・ドゥック副主席によって実施された3回目の調査だ。今回の調査では、地元警察幹部にも調査計画は事前通知されておらず、調査チームは感染防止対策に関する多くの問題だけでなく、社会の安全秩序維持についても様々な問題を発見した。
20時30分にドゥック副主席の率いる調査チームがレライ通りにある『キングレストラン』へ調査に立ち入った。このとき、店舗はまだライトアップされており、周辺には車が並び、客とみられる人物が頻繁に出入りしていた。また、従業員は、マスク着用ルールを全く守っていなかった。
このレストランにある18部屋を検査したところ、半分以上の部屋に客が来店していた。全ての部屋はカラオケルームとして、レーザー照明、防音壁、マイク、スピーカー、大型テレビ画面が備え付けられていた。また建物内には、ホステス待機用の大型の化粧室も備わっていた。
店内には、ベトナム人客以外に中国人4人と日本人4人の8人の外国人客がいた。調査チームは、地域の警察に身元確認のための行政調査をおこなうように要請した。当初これらの客は非協力的な態度を示し、ベトナム語が理解できるにもかかわらず、調査チームの話が理解できない振りをした。
その後、調査チームはこの中国人4人組の中に、4月21日にフンイエン省での隔離を終了したばかりの人物が1人含まれていることを発見した。規則によればこの人物は、医療観察期間中で14日間の自宅での医療観察が求められていた。しかし店のマネージャーの話によるとこの中国人客は、これまでにも何度もこの店を訪れていたとのことだ。なお、残りの3人の中国人は、2020年からベトナムに滞在しており、ベトナムの企業で働いていることが判った
安全を確保するために、調査チームはホーチミン市疾病予防管理センター(CDC)に、この店の全ての従業員と客のPCR検査サンプルを採取し、PCR検査を実施するよう依頼した。この検査結果は5月5日の午後に判明する予定だ。
調査の時点では、レストランのオーナーは不在で、代理人が対応にあたった。ホーチミン市幹部の取り調べに対して、この人物は現在ホーチミン市がCOVID-19の感染拡大防止措置としてカラオケ店の営業停止を指示していることを知っていたと認めたうえで「この店舗内では飲食の提供のみをおこなっており、カラオケ営業はおこなっていない」とカラオケの営業を否定した。
調査チームがこの店のライセンスを確認したところ、レストランの営業許可しかなく、カラオケの営業が許可されていないことが判った。つまりこの店のカラオケルームとカラオケ設備は無許可営業となる。
この『キングレストラン』は、ベンタイン地区警察本部から500メートル強のところにあるにもかかわらず、地元警察はこの店がこれまで違法カラオケ営業をおこなっていた事実を把握していなかったとしている。
「従業員はマスクをしておらず、客は非常に密集している。ホーチミン市がカラオケの営業を禁止したにもかかわらず営業を継続していた。なのになぜ、この地区の警察は全くチェックしていないのか?」ドゥック副主席は、地元警察幹部に対してこのように詰問し、このエリアの施設を厳格に管理するよう求めた。
これに対してベンタイン地区警察署のファン・タイン・ハイ署長は「所轄のエリア内には正規に登録されたカラオケ店は1軒しかなく、その1軒については営業停止命令が出てすぐに営業を停止した。一方でこのキングレストランはレストランとして登録されていたので、営業を継続していた」と説明した。
調査チームでは、ホーチミン市内には、このレストランと同様にレストランを偽装したカラオケ店が多数存在しているとみており、今後さらに取締りを強化する方針だ。
出典:05/05/2021 ZING NEWS
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