2020年は新型コロナの影響で、月例消費者信頼感指数(基準値100)が過去最悪に下降した。そして、直近の2021年Q1(1~3月)とQ2(4月)の「マクロ景況感」、「世帯景況感」、「個人景況感」を分析すると興味深いことがわかった。
2021年初めは景況感に光が見え始めていた。マクロ景況感はコロナ発生前(2019年Q1)を上回り、世帯景況感もコロナ発生前まで上昇した。唯一、個人景況感はコロナ発生前の数値に届かなかったが、回復の兆しが見えていた。
しかし、2021年Q2(4月)に景況感が急落した。スコアはマクロ景況感(104.11)、世帯景況感(91.96)、個人景況感(70.85)であり、全て先月の景況感を下回った。原因は4月下旬に第4波(北部でインド型陽性患者が発覚)が発生し、マスク未着用の罰金増額やイベント中止等が強化されたためと思われる。
個人景況感を都市別に見ると、この1ヶ月でハノイが10ポイント低下し、ホーチミン市は25ポイントも急落。年齢別では18~29歳が16ポイント低下し、30歳~39歳は23ポイントも落ちた。中でもホーチミン市の30~39歳は49ポイントと、コロナ発生後(2020年3月)と同等まで急落した。つまり、多くの陽性患者が発見された北部よりも、当時陽性患者がゼロだった南部の個人景況感が大幅に下がり、4月の個人景況感は、ネガティブな動きを見せたことがわかった。
第4波による陽性患者数は日々増加しているが、市中感染の発生ごとに当局の対応は早まっている。今後、円滑かつ迅速な当局の対応により、個人景況感がプラスに働くことを期待したい。