ホーチミン市ではCOVID-19に感染し治療を受けている16歳未満の子供が急増しており、9月5日の6時までに3106人となった。これは、ワクチンを2回接種した人の行動制限を緩和する場合に考慮しておかなければならない現象だ。
ホーチミン市疾病予防管理センター(HCDC)によると、8月19日までに医療施設で治療を受けた子供は1937人だったが、それが9月2日には2522人まで膨れ上がった。
多くの子供が家庭内で感染
ホーチミン市小児病院のグエン・ミン・ティエン副院長によると16歳未満のCOVID-19感染者は増加しており、最近はホーチミン市小児病院に入院する子供も増加傾向にあるとのことだ。この病院で治療を受けているCOVID-19に感染した子供は、1日に320人を超えることもある。勿論この数字には軽症で自宅療養を病院から指示された子供は含まれていない。
病院では院内感染などによりかえって重症化する可能性もあるため、医師は本当に必要な場合のみCOVID-19患者の入院を決定している。
ティエン副院長によると、COVID-19に感染した12か月未満の乳児、基礎疾患(心臓病、喘息、糖尿病、高血圧、血液疾患など)のある子供、COVID-19と同時に他の病気(デング熱、手足口病、虫垂炎など)に罹っている子供、重症化の兆候がある子供については全て入院治療が必要だという。
特に12か月未満でCOVID-19に感染した乳児は重症化のリスクが高く、しかもこの年齢の乳児は症状の見分けがつきにくく見逃される可能性も高いので注意が必要だ。ホーチミン市小児病院に入院している約300人の子供のCOVID-19患者のうち約30%が12か月未満の乳児だ。
ティエン副院長によると、12か月未満の乳児のCOVID-19感染源は、殆どが赤ちゃんの世話をする大人からのもので、それ以上の年齢の子供では、家族の誰かから感染している。
ティエン副院長によると、ある家政婦が15世帯の家事手伝い業務を請け負っていたがその後COVID-19に感染し、関連する15世帯全員が子供も含めて感染したケースもあるそうだ。
135㎏の子供が重症化
ティエン副院長はまた、これまでにホーチミン市小児病院では、多くのCOVID-19が重症化した子供たちの命を救っていると説明してくれた。
例えば15歳のL.T.Q君の場合、COVID-19により急性呼吸窮迫症候群となり、ビンチャン区病院からホーチミン市小児病院に搬送されてきた。受け入れたホーチミン市小児病院では、この子供が135㎏もある肥満児で、酸素飽和度が78%しかなく、チアノーゼ反応で唇が紫に変色しているなど重度のCOVID-19疾患と診断し、持続陽圧呼吸療法が施された。
この患者には、抗生物質、抗炎症剤、抗凝固剤が投与されたが、呼吸状態は悪化し続け、ついに人工呼吸器に繋がれた。それでも症状が改善せずレントゲンを撮ったところ患者の両方の肺が重度の損傷を受けており気管内挿管が上手くいかなければ高流量酸素療法(HFNC)を適用することになった。
幸運にもこの男の子は、HFNCによって救われた。血液検査の結果、この患者は強い炎症反応を示したため、抗炎症剤、抗生物質などが大量に投与された。その後も懸命の治療が施され、2週間以上経ってから徐々に症状が改善したのだ。
COVID-19の感染状況が複雑化する中で、子供の感染者数が増加している。実際PCR検査で陽性が確認された患者の10~15%が子供だという。ティエン副院長は、子供の保護者に対して発熱、咳のどの痛み、倦怠感などの症状があれば、適切な治療を受けるために、すぐに医療機関で医師による診察とCOVID-19のスクリーニング検査を受けるように推奨している。
保護者は子供たちに適度な栄養を与えながらも、太りすぎや肥満を引き起こすような食事を避け、高血圧や糖尿病などの基礎疾患によるCOVID-19の重症化リスクに注意する必要がある。
子供への感染を防ぐには?
ティエン副院長は、子供へのCOVID-19の感染リスクを最小限に抑えるために最も重要なことは、大人達がワクチン接種を進めることだと指摘する。
具体的には、2回目のワクチン接種を終えた大人が70~80%に達すれば集団免疫が獲得できるとされている。また、12歳以上の子供へのワクチン接種も進める必要がある。さらに5Kを遵守し、不要不急の外出は避けなければならない。
出典:06/09/2021 TUOI TRE
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