ロシア保健局の感染症の専門家であるウラジミール・ニキフォロフ氏は、オミクロン株の出現はCOVID-19が終焉に近づいていることを示す最初の兆候である可能性があると述べた。
「南アフリカで確認された新たな変異株は感染力は強いですが、一方で重症化率が低いことを示すデータもあります。つまりこの変異株は肺を損傷させない可能性があるのです。これはもしかするとウィルスが弱体化している兆候を示すもので、悪夢の終わりが近づいているのかもしれません。」
ニキフォロフ氏によると、オミクロンはCOVID-19を一般的な季節性の呼吸器感染症のウィルスにする可能性がある。実際、他の多くの専門家もこの見解に賛同している。
カリフォルニア大学サンフランシスコ校の感染症専門医であるモニカ・ガンジー教授は、ウイルスは通常、感染力がより強くなり、毒性がより弱くなる進化をとげることが多いと指摘する。「ウイルスは、より多くのコピー作りたいので、宿主を簡単に殺したくはありません。だって、それはウイルスの生存戦略にとって賢明な選択とは言えませんから。」とガンジー教授は説明する。
オミクロン株が登場する以前に、科学者たちは、ウイルスが将来的に最適化され変異が少なくなるのが最終状態だとして、デルタ株がnCoVの最終形態を示すものであるのかを疑問視していた。
「時間の経過とともにより適切な変異種が生まれる可能性がありますが、それは永遠に続くというわけではありません。自然界には永遠のものは存在しないのです。いつの日かウイルスは感染力の閾値に達します。その後、新たな変異が起きても感染力の優位性は保てなくなります。この安定した変異ウイルスが自然界で優勢を占めるようになり、突発的かつ小さな変異を繰り返して最終的なウイルス株になります。」とネイチャー誌に掲載された論文は説明する。
11月26日、WHOはオミクロン株を”懸念すべき変異株”に分類した。専門家によるとSタンパク質に大量の変異が起きるとワクチンや以前の感染によってできた抗体を乗り越える可能性が出てくる。オミクロン株は、これまでに30か国以上で確認されており、その多くが南アフリカに集中している。
EU、イギリス、アメリカは、アフリカ南部の複数の国に対する渡航制限をすぐに実施した。これに対して南アフリカ政府は「南アフリカでオミクロン株が確認されたのは、南アフリカのゲノム解析技術が優れていることの結果にすぎず、渡航制限措置は行き過ぎた措置だ」と反論している。
科学者たちの間ではオミクロン株についての議論が続いている。一部の科学者は、オミクロン株はより感染力が強く、免疫を回避しワクチンの効果を低下させる可能性があると主張している。また、別の科学者は、オミクロン株は過大評価にさらされていると指摘している。
出典:05/12/2021 VNEXPRESS
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