ベトナムの音楽WebサイトNhacCuaTuiの統計によると、Kpopは音楽総消費量の約29.2%、曲の売上の19.5%を占め、ベトナム音楽のVpopに次いで販売とストリーミングで他ジャンルを圧倒している。
Statista社の調査では、1ヶ月当たりのKpop視聴時間の国別トップ3はベトナム38.5時間、UAEが35.6時間、タイ35.1時間でベトナムがトップ(2021年12月現在)。輸出国の韓国のデータでも、2020年の韓国のエンタメ直接輸出は64.8億USD(約7.75兆ウォン)で、ベトナムは中国、日本、アメリカに次ぐ4位の輸出先だ(韓国国際文化交流庁)。
韓国は元々国内市場が小さく、海外市場開拓の国策としてKpopを含む韓流の普及を戦略的に続けてきた。ベトナムでは1996年のテレビドラマ放映を機に韓流ブームが始まり、現在はBTSやBLACKPINKといったアイドルのオンラインイライブ配信などでベトナムのファンを魅了している。ベトナムのKpop市場は2030年までに約5倍に成長する見込みで、VpopとKpopを融合させたテレビ番組でのコラボレーションなど、両国の関りは強さを増していくだろう。
一方、ベトナムで日本文化や日本料理は人気があるものの、Jpopはマイナーなジャンルだ。理由には国として文化普及活動の比重が低かった点が挙げられる。その状況でも、「Jpopの歌詞に勇気付けられる」、「絶望した時、心寂しい時に日本の曲を聴くと救われる」、「歌詞の意味が深い」といった歌詞の内容に価値を見出すファンも少なからずいる。加えて、ジャンル1位のVpopは情緒的なメロディーと歌詞が日本のバラードに似ており、Jpop拡大の余地はまだあると言えよう。