不動産を購入する人は、転売利益に注目するケースが多いが、契約書を注意深く読んで交渉することを怠ると、数十億VNDを失うことになるかもしれない。
不動産取引の法律コンサルティングをおこなっているMogin Holdingsは、不動産投資に伴うリスクを知らないことで、数十億VNDを失う可能性がある5つのリスクグループについてのレポートを発表し、投資家にトラブルを避けるために知っておくよう注意喚起した。今回発表されたレポートは、2021年から2022年11月までの不動産取引データと実例に基づいて作成されている。
調査レポートによれば、不動産取引リスクの35%は、不動産取引契約書を作成する際の不注意に起因している。これは、不動産取引における書面による契約(デポジット契約、売買契約、出資契約、投資協力合意書、支払い・資産受け取り確認書など)に由来する最も一般的なリスクとされている。
契約書に関するリスクの背後には、開発計画、境界線、土地区画に関する問題が隠れており、調査対象の25%がこれに該当した。同様に現在売買されている不動産に十分な法的根拠がない(販売条件が十分ではない)ケースも調査対象の25%を占めていた。また、正式な名義人以外との不動産取引によるトラブルも10%確認されている。
また、土地使用権や所有権の偽造書類を用いた土地取引の詐欺行為によるリスクも5%を占めている。全体の中の比率としては低いが、偽造書類を使用した巨額の不動産取引に関する詐欺行為は、刑事事件につながる可能性が高い。
Mogin Holdingsのルーン・ディン・トゥイ・バン社長は、不動産取引に潜むリスクは非常に大きいが、残念ながら多くの一般投資家は、それに対する準備が不足していると指摘する。問題が発覚し、数十億VNDを失う可能性に直面してから初めて投資家は対応策を探そうとするが、すでに手遅れのケースが後を絶たない。
バン社長は、不動産取引に潜むリスクによって投資家は、資産だけでなく多くの現金と時間を失う可能性があると指摘する。そのため、バン社長は、不動産投資家に対してリスクを最小限に抑えるために、不動産取引の前に不動産市場に関する情報と不動産関連の法律体系を学ぶか、弁護士に相談することを推奨している。
ホーチミン市弁護士協会のドアン・ホアン・ミー弁護士は、長年、実際の不動産取引問題にかかわってきた経験から、不動産取引の争いの約40%は、契約書に署名する際の不注意から生じていると指摘する。
法令によれば、不動産の売買、譲渡に関する契約は書面で作成し、公証する必要があるとミー弁護士は説明する。しかし、実際には今でも公証手続きをおこなっていない契約が横行しており、簡単な手書きの文書や口頭での約束で取引するケースが後を絶たない。このような手続きは、購入者がすべてを失うリスクにつながる可能性のある大きな過ちだ。
多くの投資家が数百億、数千億VNDの不動産取引をおこないながら、厳密には法的に十分な効力の無い不完全な売買契約書、デポジット預かり証、出資合意書、投資協力覚書などを作成している。このようなケースでは契約書が無効になったり、実際の取引が困難になったりする可能性が生じる。
法的な面で一般的に発生する基本的なリスクは、契約書の有効性が認められないリスクと記載された条項が厳密かつ明確でないことから生じる紛争のリスクの2つだ。
ミー弁護士によれば、契約書に記載された非常に細かい誤りでさえも取引双方の財産と権利に深刻な影響を与える可能性があり、紛争の解決には、長い時間と多額の費用が必要となり、信頼と財産を失ってしまう可能性がある。
出典:11/12/2022 VNEXPRESS
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