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ベトナムニュース【経済】フィットネス業界の”ガリバー”が新規出店を控える訳

(C) VNEXPRESS

ベトナムのフィットネス業界をリードしてきたカリフォルニア・フィットネス&ヨガは、最近になって新規競合他社が新規出店を加速する中で、新規出店を控えている。

「我々は完璧ではありません。あまりにも急激に成長、拡大したため、色々な問題が出てきました。それが最近になって当社が新規出店を控えている理由です。」とカリフォルニア・フィットネス&ヨガを展開するFLG Vietnam社のデーン・フォート社長は話す。

ベトナム国内で35施設を展開しているこのフィットネスジムは、以前ベトナムで最多の施設数を誇っていた。しかし、最近では、新たに多くの競合が出てくる中、カリフォルニア・フィットネス&ヨガは新規出店を控えている。

ベトナム国内のフィットネスクラブのチェーン展開に関する調査によると、2019年7月に設立さればかりにもかかわらずベトナム国内で最も施設数が多いのは25Fitで41施設となっている。他にもCurves、Diamond Fitness Center、Olympia Vietnam、Elite Fitness、Citi Cym、The Nes Gymなど10~30近くの施設を展開する新興勢力が登場してきている。

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25 Fitは、低周波を使って筋力を高め脂肪を燃焼させるEMS技術を用いたトレーニング方法を導入してフランチャイズ展開を加速している。

The New Gymは、24時間営業を掲げている。Curvesは、女性専用のフィットネスジムだ。City GymとElite Fitnessは、不動産企業グループに属している。また、最近ではマンツーマン指導を売りにするプライベートジムも人気を集めている。

「資金力さえあれば誰でも当社と同じ設備を備えたフィットネスジムを開設出来ます。そしてベトナムでは、非常に多くの企業がこの業界に参入できる条件を備えています。」とデーン・フォート社長は説明する。しかし、フィットネス業界を15年かけて開拓した後で、フォート社長は、同社の現在の課題として、フィットネスジムをさらに増やすのではなく、会員を維持するために既存のクラブに再投資することが必要だと指摘する。

フォート社長の試算によれば新規の会員を獲得するには、既存会員を維持するのに比べ10倍の経費が掛かる。そして、カリフォルニア・フィットネス&ヨガのベトナム国内でのシェアは依然として圧倒的である。同社が公表したデータによれば現在、同社の会員数は約25万人で、1日平均3万人がジムを訪れている。つまり年間延べ1100万人が同社のジムを利用しているのだ。

「COVID-19の感染拡大前に行った調査では、この業界における当社の会員数シェアは72~73%ありました。」とフォート社長は話す。これこそが、同社が既存の会員数を維持するためにジムの設備とサービスのアップグレードに200万USDを投資した理由だ。

「FLG Vietnamは、現在全体で約3000人の従業員を抱えており、従業員数が多すぎることも問題です。仕事を始めたばかりの若いスタッフが会員に間違ったアドバイスをしたために、会員の不信感につながることがあります。」とフォート社長は話す。今後2年間かけてフォート社長は、社内スタッフ教育プログラムを展開し、スタッフの専門性とチームワークを向上させたいとしている。

市場調査を専門とするケン・リサーチの調査によるとベトナムのフィットネス市場は、2023年までに35億USDを超えると予測されていた。しかし、この予測はCOVID-19以前の2019年に出されたものだ。ベトナムのフィットネス市場もCOVID-19の影響を受けており、大手チェーンが規模を拡大する一方で、多くの小規模のフィットネスジムが閉鎖に追い込まれている。

COVID-19が感染拡大していた2021年5月にQ&Meがおこなったベトナム人の運動習慣に関する調査では、フィットネスジムが最も普及した運動(85%)とされている。フィットネスジムの中でよく行われている運動は、ウォーキング(66%)、ランニング(61%)、エアロバイク(38%)、ジム(33%)の4つだ。ベトナム人が運動をおこなう主な3つの理由は、健康維持(48%)、ストレス解消(43%)、ダイエット(40%)となっている。

フォート社長は、COVID-19のプラスの側面として、より多くのベトナム人がヘルスケアに関心を持つようになり、フィットネス業界に追い風になっていると指摘する。「当社の業績は順調です。COVID-19の前よりも会員のジム利用回数が増え、新規会員数も増加し、売上が上昇するなど良い結果を出せています。」とフォート社長は話す。

ベトナムのフィットネス業界にはまだまだ成長の余地がある。フォート社長によると中間層のフィットネスジム普及率は、香港が14%、オーストラリアが23%、アメリカが17%なのに対してベトナムはまだ1%にも達していない。「今年の年末までに普及率は1.25%に達すると予測しています。そして5年後にはこの数字が5%まで伸びるでしょう。」とフォート社長は話す。

この市場性こそが多くのフィットネスチェーンが店舗を拡大し、マーケティングを強化し、新たなフィットネスを紹介し続けている理由になっている。フォート社長も新たな戦略を用意している。例えば競合他社がEMS導入している一方で、同社はオーストラリアの加圧式トレーニングを導入している。

また、24時間営業のフィットネスジムという考え方を取り入れてFLG Vietnamグループも24時間営業のJetts Fitnessを展開している。「今後2年間で、Jetts Fittnessを新たに12ヶ所オープンさせる予定です」とフォート社長は話す。

”プライベートジム”というビジネスモデルは、需要はあるとしても今後も主流にはならず全体としては”オールインワン”が主流になるとみられている。フォート社長によるとベトナムのトレンドは、インクルーシブ、オープン、フレキシブルの3つだ。

フォート社長によるとCOVID-19以前には、ベトナム国内にもヨガやボクシングなど専門に特化したジムが存在したが、COVID-19以降は、一か所で様々なフィットネスが体験できるジムが人気を集めるようになっている。

実際、大手チェーンは全てこのトレンドに従っている。各大手チェーンが設備投資にかける額で差別化できない場合、スタッフの専門性と質の高さが、高い利益率を達成し市場に生き残るためのポイントになるとみられている。

「もし、ビジネスが順調であれば利益率は26~27%に達します。普通でも20%程度あるでしょう。一方で、この業界をよく理解できていなければ利益率は10%を下回り、場合によっては赤字化するかもしれません。」とフォート社長は話してくれた。

出典:26/11/2022 VNEXPRESS
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