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ベトナムニュース【社会】解雇された労働者の採用が難しいというパラドックス

(C) VNEXPRESS

Ty Hung社の従業員1200人近くが解雇されたとのニュースを聞いて、Thuan Phong Groupの人事部は、Ty Hung社の工場と宿舎を訪れて従業員募集をおこなったが、今のところ誰も社員になっていない。

生産需要を満たすため、ホーチミン市6区で縫製工場を営むThuan Phuong社は100人の労働者を新たに採用する必要があり、2023年2月まで募集を続けている。未経験者には教育訓練を実施し、月の収入は700万~1500万VNDとされている。11月の上旬にビンタン区のTy Hung社が受注減によって1185人の従業員を削減するという情報を得たThuan Phuong社の社長は、人事部に解雇された労働者を採用するように指示した。

Thuan Phuong社の採用担当者が2回以上Ty Hung社の工場と従業員宿舎を訪れて、採用説明会をおこなった。同社では、更に6区の失業保険支部と連携し、労働者募集のチラシを配布した。「それでもこれまでのところ誰も募集には応じていません。」とThuan Phuong Groupの採用担当であるブイ・バン・ズイ氏は話す。

同様に12区の労働局も解雇された労働者に仕事を紹介するうえで、多くの苦労に直面している。12区労働局のチャン・タイン・トー氏は、一例としてMay Sung Kyoung Vietnamの労働者のケースを説明する。この工場が閉鎖され、830人近くの従業員が労働契約を終了されるとの情報を得て、12区労働局は、近隣の工場に労働者の受け入れを打診した。

「面接には多くの人が来ましたが、実際に就職した人は多くありません。」とトー氏は話す。May Shin Dong社では、300人近く面接をおこなったが、働くことを決めたのはわずか9人だった。同様にWooYang ViNa Ⅱ社でも180人を面接したが、働くことが決まったのは5人しかいなかった。このような状況は、他の縫製、革靴製造企業でも発生している。

12区動労局の担当者は、この時期に解雇された労働者が正規労働者として働きたくないのには主に2つの理由があると説明する。まず第一に、失業した労働者は少なくとも3ヶ月間の失業手当が支給されるので、契約に縛られず、社会保険にも加入せず週給が支払われる期間工の仕事を希望するケースが多いのだ。

二つ目に各工場が労働者を削減しているこの時期は旧正月(テト)に近い。もし、正社員として働くとテトのボーナスはそれほど期待できず、テト休暇期間も新しい職場の指示に従わなければならなくなる。このような労働者心理が企業の採用を難しくしている。

採用側の立場として、ブイ・バン・ズイ氏は、面接を通じて現在、労働者側は、失業保険を受け取り、社会保険を一旦受け取るために1年が経過するのを待つために、期間工としての就職を望んでいるのを感じたと話す。

ズイ氏は更に、企業が解雇された労働者を採用するのが難しいもう一つの理由として、多くの労働者が業種を変えたくないと考えていることも挙げた。例えば、Ty Hung社の労働者は、靴の製造分野で十年以上の経験があり、靴底の製造や接着をこなすことが出来るが、縫製業に転職すると仕事を一から学ぶ必要があり、給与額も下がるため積極的に働こうとしない。

オンライン求人サイトViec lam totのデータによると、昨年までとは違い、今年は失業者数が多く求職需要が以前よりも高まっているが、採用需要は大きく減少している。そのため、労働力の供給量が市場の需要を上回っている。「しかし、これは採用を求める企業の追い風にはなっていません。」とViec lam totのチャン・ミン・ゴック社長は話す。

現在、失業した労働者の多くは製造業に従事しており、一方で求人企業側は、小売業やサービス業に集中している。この二つの業界では、職場環境や求められるスキル、経験が全く異なる。ホーチミン市労働市場と雇用需給予測センターのレポートによれば、12月にホーチミン市内では、2万3000人~2万5000人の労働力が不足するとされている。このうち、小売やサービス業が68%を占めており、製造業と建設業は32%しかない。

ゴック社長は、労働力を削減し活動を縮小している製造業は郊外に集中している一方で、サービス業は中心部と住宅街に集中しているという地理的な問題点を指摘する。単純労働者は、住居の近くの仕事を求めている。そのため、求人企業と求職者のギャップを埋めるには、調整に時間がかかるとみられている。

出稼ぎ労働者について長年研究しているソーシャルライフ研究所のグエン・ドゥック・ロック准教授は、現段階で解雇された労働者は、ベトナム人のテトを重視するという考え方から新しい仕事につきたくないと考えていると指摘する。彼らは、テト休暇の期間を制限されないために、期間工としての仕事を求めている。

「現時点での就職支援ではなく、当局は来年以降の解決策に集中すべきです。」とロック准教授は話す。テトが終わり、各種手当が終了し、田舎には仕事がないとなれば、労働者は”新しいスタート”としてホーチミン市、ドンナイ省、ビンズン省に戻ってくる。行政当局は労働力市場の状況を正確に予測し、労働者の補助政策を展開すべきだ。もし、労働力の需給バランスが歪な状態が続くようであれば、それは労働力市場の規制が適切ではなく、労働力予測がずれていることを示している。

ロック准教授はさらに、企業の採用が難しい理由に年齢の問題を挙げている。多くの企業は40歳未満の労働者を必要としているが、この年齢層の労働者は就職に躊躇している。これらの若い労働者はリストラによって工場から追い出されたため、新しい生計の立て方を考えたり、故郷に帰省したり、1回限りの社会保険、受け取りを待っていたりする。一方で、40歳以上の労働者は、他に選択肢もなく働くしかないのだが、企業からはあまり必要とされていない。

ロック准教授によれば、政府は、解雇された40歳以上の労働者が労働市場へ戻れるように長期的な計画を立案する必要がある。30年以上に及ぶ労働集約型産業の発展の結果、定年退職年齢には達していないが高齢となった労働者の数は非常に多くなっている。このような労働者が最近の受注減少で突然工場から追い出されている。

「この年齢層の労働者は自分を変えることは難しく、政府のサポートを真に必要としています。」とロック准教授は話す。70年代の韓国の状況を引き合いに、当時、韓国政府は40歳以上の労働者を支援するために労働基金を設立したとロック准教授は指摘する。ベトナム政府も労働者の健康状態、経験、スキルに適した裾野産業への投資を奨励し、失業保険基金の資金を運用して、労働者の転職支援のための職業訓練をおこなうことは、十分に可能だとロック准教授は見ている。

出典:07/12/2022 VNEXPRESS
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