ベトナム血液学会のグエン・アイン・チー会長は、ベトナム政府がCOVID-19 ワクチンの開発の成功を民間企業に背負わせたのは誤った選択だったとして、ベトナムは大きな教訓を得たと述べた。
1月7日に国会は議決30号の実施状況についての評価を議論し、いくつかの政策の移行を提案した。ベトナム血液学会のグエン・アイン・チー会長は、ベトナムはワクチン外交政策に成功したことでCOVID-19 を抑制することができたと評価した。一方で、ベトナムは現在に至るまで自国でのCOVID-19 ワクチンの開発に成功していないとも指摘した。
ベトナムがワクチン開発に失敗した原因の一つとして、チー会長はベトナムの民間企業は優秀で資金力もあったが、国営企業には及ばなかったことを挙げた。「なぜ我々は、ワクチン製造工場を早急に立ち上げるためにワクチン製造に関して世界の知識を研究して吸収するために優秀な科学者を集結させたり、世界的な専門家を招へいして最新の技術を導入することができなかったのでしょうか。」とチー会長は問題提起した。
COVID-19 の状況は依然として複雑であると認めたうえで、チー会長は、首相に対して、国家に貢献するための秩序だったワクチン製造システムを早期に立ち上げるべきだと提言した。
COVID-19 の感染が拡大した際に、ベトナム国内の多くの企業がワクチンの研究と開発に参加した。2021年末には、Nanogen社のNanocovaxワクチンが第3相臨床試験の準備段階に至った。Nanogen社は政府に対して緊急承認の申請をおこなったが、現在に至るまで承認されていない。
ビングループがアメリカから技術移転を受けたARCT-154ワクチンと日本の塩野義製薬が開発したワクチンも臨床試験段階で止まっている。Vabiotech社がロシアから製造技術移転を受けたスプートニクⅤワクチンも同様だ。
Covivacワクチンは、条件を満たす被験者を見つけることができずに第3相臨床試験を中断した。現在に至るまで、ベトナム国民を救うための国産COVID-19 ワクチンは市場に登場していない。
この議論に参加したビンズン省青年団のグエン・ティ・ゴック・スアン書記は、戦争と同様にウイルスと闘っているときには、全ての計画が国民の命を救うために重要であり、国会は国内の感染拡大を防ぐために通常よりも高いコストをかけるべきだが、役に立たない無駄な費用は省く必要があり、多くの自治体が、この精神に基づいて医薬品、医療器具を購入したと述べた。
現在のところ感染状況は抑制されているが、余剰な医薬品、医療設備、医療機器の処理は遅れている。政府の報告書もこの点については言及されていない。そのため、スアン書記は、政府に対して、コストの無駄遣いを避けるための適切な対策を検討するよう要請した。
スアン書記が提案した解決策の一つは、国家予算や基金で購入した薬について有効活用するために使用目的の変更を迅速に許可することだ。「一部の薬や器具はもうすぐ使用期限が切れます。速やかに有効活用する対策を講じなければ廃棄せざるを得ず、多大な無駄が発生してしまいます。」とスアン書記は述べた。
この問題について保健省のダオ・ホン・ラン大臣は、政府が全国の自治体に対して感染拡大時に購入した薬の数を集計して報告するように指示したと述べた。保健省は、COVID-19 感染防止のために国家予算で購入された医薬品を通常医療に使用目的を変更する提案書を政府に提出している。「国家予算の無駄遣いを防ぎ、十分な医薬品を確保することが重要です。」とラン大臣は述べた。
出典：07/01/2022 VNEXPRESS
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