12月21日の朝、ホーチミン市メトロ1号線(ベンタイン-スオイティエン)で3両編成の車両の試験運転が高架駅5区間(約9㎞)で実施された。
列車はスオイティエン駅を出発し、国家大学前、ハイテクパーク前、トゥードックの3つの駅を通過し、ビンタイ駅まで走行した。高架区間の最高速度は110㎞/hと設計されているが、試験運転は40㎞/h以下で実施された。テスト走行中に車両はハイテクパーク前駅で5分間停車し、関係者を乗車させた。
今回の試運転を前に、請負業者の日立が車両をビンタイ駅まで運び、安全な運行のためにレール、供給電源、架線検査システム(OCS)のチェックをおこなっていた。また、動力車両と付随車両のチェックも厳密に行われた。
「スオイティエン駅からビンタイ駅までの試験運転は、ホーチミン市メトロ1号線が施工段階から商業運転開始に向けた準備段階へ移行したことを示しています。」と都市鉄道管理委員会(MAUR)の担当者は話す。
既に8月末からこのプロジェクトの全17車両のブレーキ、連結、電源などの検査がロンビン車両基地で実施されていた。また、本線での試験運転の前には、車両を車両基地近くの高架セクションに移動させ技術検査を実施している。
ホーチミン市メトロ1号線の車両は日本製で設計速度は110㎞/h(高架区間)と80㎞/h(地下区間)とされている。車両の両端に運転席があり、外側はアルミ合金製でメインカラーはブルー、内装は乗客の利便性だけでなく、掃除やメンテナンスのしやすさも考慮してデザインされている。3両編成で定員は930人(座席147人、783人立席)となっている。今年5月に全17車両がホーチミン市に到着する前に、日立は車両の技術検査のため日本で既に試験走行をおこなっている。
ホーチミン市メトロ1号線は、日本、中国、シンガポール、タイなど多くの国の鉄道で使用されている無線式列車制御システム(CBTCシステム)が使用されている。このシステムは、無線を通じて線路に設置された設備と通信をおこなって列車の正確な位置、速度、進行方向、列車間距離を把握し、列車の運行を制御するものだ。
MAURによれば上記のエリアでの試験運転を完了した後、2023年には、プロジェクトのコンサルタントと施工業者が機械設備の設置を加速させ、全線での駅と歩道橋の建設を完了させる。また2023年には、自動運転、安全装置、各駅の設備と車両の連携システムなど鉄道運営にかかわる全体のシステムのテストも実施される予定だ。
また、MAURは、ホーチミン市メトロ1号線運営会社と連携して、従業員教育を進め、早期に車両運行技術を移転させたい考えだ。
ホーチミン市メトロ1号線は、ホーチミン市初の都市鉄道プロジェクトとして10年前からスタートし、総投資額は日本のODAを含めて43兆7000億USDとなっている。プロジェクトの全長は約20㎞で、1区のベンタイン市場前駅からトゥードゥック市のロンビン車両基地までをつないでいる。全路線のうち3駅が地下駅で、11駅が高架駅となっている。現在プロジェクトの93%が完了しており、来年末の営業開始が予定されている。
出典:19/12/2022 VNEXPRESS
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